ちいさなしまのおはなし
てんしさまのおはなし
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ん、ってヒカリは思ったけれど、プロットモンは違ったらしい。
えーって言う表情を浮かべていたから、どうしたのかって尋ねたら、ピコデビモンはとっても意地悪なデジモンで、誰かが困っているのをケラケラ笑って楽しんでいるような奴なのだという。
なっちゃんとは正反対の評価で、どっちを信じたらいいのか分からなくて、ヒカリは困ったようにプロットモンとなっちゃんを交互に見やった。
そんなヒカリを見て、なっちゃんはクスクス笑う。
きゅるん、と可愛らしい音が鳴った。
え、ってなっちゃんとプロットモンが音の出どころに顔を向けると、目をぱちぱちさせた後、顔を真っ赤にさせたヒカリの姿。
お腹を押さえていたので、恐らく先ほどの音はヒカリの腹の虫が鳴いた音だろう。
そう言えば朝から何も食べていなかったのだ。
朝はお兄ちゃん達を探すためにプロットモンと軽く会議をして、あちこち歩き回っていた。
朝ご飯を食べるのを、すっかり忘れていたのだ。
すぐ近くに木の実もなっていたし、ヒカリとなっちゃんとプロットモンは、木の実を集めて朝ご飯兼お昼ご飯を食べることにした。
お昼はここに来てから定番になっている、リンゴのような果物だ。
ナイフなんて便利なものはないので(光子郎のパソコンに収められているテントの中にはある)、皮がついたままの丸かじりである。
シャクシャクシャク、とリンゴを咀嚼する音を立てながら、ヒカリはなっちゃんに尋ねた。
「ねえ、なっちゃんは本当に天使さんじゃないの?」
ヒカリの焦げ茶色の髪と、赤みがかった茶色の目、大輔くんと遊びまわって日焼けした健康的な肌とは、全く真逆の容姿。
絵本で読んだ天使さんにそっくりなのに、なっちゃんは違うと言う。
最初は、一人ぼっちになっちゃったヒカリを可哀そうに思った神様が、ヒカリのためによこしてくれたのだと本気で思っていた。
違うと言われて、ちょっとだけがっかりしたけれど、それでもプロットモンと自分だけという現状を打破てきたのはなっちゃんのお陰だから、本当は人間のフリをしている天使さんなのでは、とちょっとだけ疑っていた。
でもなっちゃんは、クスクスと笑ってやっぱり首を振る。
「違うの?本当に?」
『ねえ、ヒカリ。“テンシ”ってなぁに?』
否定するなっちゃんに食い下がるヒカリに、プロットモンが聞く。
2人だけで話を進めちゃうから、構ってくれと言わんばかりにヒカリの膝に寄り掛かるように、話題を遮った。
でもヒカリはそれで怒ったりせず、プロットモンの質問に答えるべく、目線をプロットモンに向ける。
「えっとね、背中に白い羽が生えてて、神様のところでお仕事してるの」
『その“テンシ”に、なっちゃんが似てるの?』
「うん。前に読んだ絵本にのってたの。だからてっきりなっちゃんは天使さんだと思った
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