ちいさなしまのおはなし
てんしさまのおはなし
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ナイさんに口止めされてるんだけど、逢っちゃったから教えてあげる。でも誰にも言わないでね?」
しーっ、て口元に人差し指を当てて、ヒカリとテイルモンにしか聞こえない音量でお話をした。
「あのね、海の向こうにサーバ大陸っていう場所があるの」
「サーバ大陸?」
『……そういう大陸がある、と言うのは聞いたことはあるけれど……』
テイルモンが首を傾げる。
ファイル島から出たことがないテイルモンは、知識としては知っているようだが、詳細は知らないらしい。
ヒカリとテイルモンは、続きを促すようになっちゃんを見た。
「ゲンナイさんとワタシはね、普段はそこに住んでるの。このファイル島からずーっとずーっと海の向こう」
「海の向こう……もしかして、そこも……?」
おずおずと尋ねるヒカリの意図を理解したなっちゃんは、辛そうに目を伏せた。
それだけで、ヒカリとテイルモンは理解できた。
海の向こうにあるサーバ大陸にも、闇の手が伸びているらしい。
アンドロモンの工場でも、同じようなことを言っていたのを思いだした。
この世界に巣食う闇を晴らすために、異世界から戦う力を持つ子どもを呼び出した、とゲンナイさんは言っていた。
この小さな島を守るためだけなら、デジモン達でどうにかできる、でも事態はこの世界の住人だけでは手に負えないところまで来てしまった。
だからヒカリ達は、今ここにいる。
「ここの闇を晴らしたら、次はサーバ大陸に来てほしいの。そこでまた逢えるから、それまではワタシと逢ったことは、3人だけの秘密ね?」
「うん、分かった」
『約束だ。なっちゃんのことは絶対に言わない』
す、となっちゃんは小指を差し出した。
ヒカリはなっちゃんの小指に、自分の小指を絡ませ、歌う。
「ゆーびきーりげーんまん」
「うーそつーいたーら、はーりせーんぼん」
「「のーます!」」
指きった!2人の少女は笑った。
次に、なっちゃんはテイルモンに自分の小指を差し出した。
ヒカリのように小指を絡ませることはできないから、代わりに手袋の爪に小指を絡めてもらい、同じように歌う。
聞いたことのない歌だったけれど、何となく楽しくなった。
「……行って、ヒカリ。ここでお別れ」
「……うん」
名残惜しそうにするが、ヒカリは他の仲間達を探さなければならない。
なっちゃんも、ヒカリに見つかってしまった以上、ここに留まってはいられない。
サーバ大陸というところでまた逢えるから、って言ってくれたから、残念だけれど行かなければ。
「……このまま真っすぐ行けば、ヒカリの1番大好きな男の子がいるよ。だから早く行ってあげて?」
1番大好きな男の子。そう聞いて思い浮かぶのは、2人だ。
1人は兄の太一。いつもヒカリを守ってくれて、サッカ
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