ちいさなしまのおはなし
てんしさまのおはなし
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。言わない。誰にも言わないね、なっちゃんのこと。約束する」
『……ワタシも』
ヒカリのただならぬ気配を感じたのか、テイルモンもそう言った。
ありがとう、となっちゃんはようやく笑ってくれた。
そして話す。どうして嘘をついていたのか、それは。
「本当はね、ゲンナイさんに言われたの。逢っちゃダメって。陰から見守っているように、って。でもみんな、デビモンのせいではぐれちゃったでしょ?アタシ、どうしようって凄く悩んで……太一達は大きいし、パートナーも進化してるから、大丈夫かなって思って、それでヒカリのことを見守ることにしたの」
「私?どうして?」
「だってヒカリは女の子でしょ?」
こてん、となっちゃんは首を傾げる。
どうしてそんな当たり前のことを聞くの?と言いたげな表情に、そっかぁってヒカリは納得してしまった。
ヒカリは女の子だから。いつも言われていることだ、お兄ちゃんに。
そのことについてヒカリは疑問に思ったことすらなかったのだが、それは今は置いておくことにして。
「なっちゃんのこと、内緒にする。私とテイルモンと、なっちゃんだけの約束」
「うん」
なっちゃんの手を握り返す。
ヒカリは口の堅い子だ。言わないと約束したこともあり、今日なっちゃんと逢ったことは絶対に太一達に口外することはないだろう。
嘘をつくのは苦手だけれど、隠し事は得意だ。
なっちゃんと逢ったことを悟られる心配もない。
……大輔には感づかれるかもしれないけれど、その時はその時だ。
「本当にごめんなさい。ヒカリを騙すつもりはなかったの」
「ううん、いいの。だってなっちゃん、ずっと私のこと助けてくれたもん」
ヒカリとテイルモンに危害を加えるつもりだったのなら、逢った時に仕掛けてくるはずだ。
でもなっちゃんはヒカリと一緒に太一達を探してくれていたし、ドリモゲモンに襲われた時だってヒカリの手を引いて一緒に逃げてくれた。
なっちゃんは敵ではないと、ヒカリの本能が告げている。
『……それで、これからどうするの?一緒にはいけない、ということだけれど……』
「うん、一緒に行けない。だから帰るね」
帰る?ってヒカリとテイルモンは首を傾げる。
「何処に?」
「ゲンナイさんのとこ。みんなを陰から見守っててほしい、ってゲンナイさんに頼まれてたけれど、ヒカリに見つかっちゃったから、帰らなきゃ」
「……どうしても?」
うん、ってなっちゃんは微笑む。
ヒカリは、寂し気に俯いた。
右手を解いて、ヒカリの頬にそっと添える。
「大丈夫よ、ヒカリ。またすぐ会えるわ。ちょっとお別れするだけだから」
「……ほんとに?」
「ええ。……あのね、ちょっとだけ。ちょっとだけ教えてあげる。本当は貴女達が全部やらなきゃいけないんだけど、ゲン
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