ちいさなしまのおはなし
てんしさまのおはなし
[14/18]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
んは顔を見合わせると、離れたところに積み重なっている岩の瓦礫の陰に隠れた。
『グルルルるるルる……!!』
ドリモゲモンが唸る。
その目は焦点が合っておらず、口の端から唾液が垂れていた。
ずしん、ずしん、と地響きを立てながらテイルモンに狙いを定めたその足は、ふらついていた。
──様子がおかしい。
これは早いところケリをつけた方がよさそうだと判断したテイルモンは、ドリモゲモンに向かって走り出した。
距離を詰め、あと数メートルというところで跳躍する。
ドリモゲモンが降り回した、頭部についた角にとん、と乗っかると、更にそれを利用して高く飛び上がった。
穴の外へ飛び出すテイルモンを追って、目線を上へ向けたドリモゲモンを襲ったのは、強烈な光。
ほぼ天辺に登った太陽の光がドリモゲモンの目を焼く。
ぎゃあ、と悲鳴を上げて目を瞑ったドリモゲモンの隙を逃さず、重力と落下で加速した拳を振りかぶった。
『ネコパンチッ!!』
その脳天に重たい一撃をお見舞いする。
ドゴォ、だかバキィ、だか何かが割れるような音が聞こえた気がした。
反動をつけ、テイルモンは宙がえりをしながらドリモゲモンから飛び降りる。
脳天を思いきり殴られたドリモゲモンは、白目を剥いてゆっくりとその場に倒れこんだ。
「……や、った、の?」
「……分かんない、けど……」
息を飲むヒカリとなっちゃんは、岩陰からそろそろと出てきて、倒れこんだドリモゲモンを見つめた。
大きく口を開け、涎を口の端から垂らしているドリモゲモンは、数分ぐらいじっと見つめていたが動く気配がなかった。
「……はあ」
「え!?ヒカリ!?」
『ヒカリッ!』
へなへなとその場に座り込んだヒカリに、なっちゃんとテイルモンが慌てたが、安心しただけだと引きつった笑みを浮かべた。
『……いつまでもここにいられないわ。またドリモゲモンが起きたら、さっきみたいに上手くいくとは限らない。早くここから出ましょう』
呆れたように溜息を吐いたテイルモンは、ヒカリとなっちゃんにそう言った。
「ど、どうやって……?」
なっちゃんが言う。
ヒカリとなっちゃんの身長を合わせたよりも深い穴である、よじ登るのはかなり骨がいりそうだ。
と言うか体力にあまり自信がないから、登りきれるかも怪しい。
するとテイルモンがふふんと胸を張りながら、鼻を鳴らした。
『ワタシに任せなさい』
そう言うと、テイルモンはヒカリとなっちゃんの間に移動し、腕をしっかりと2人の腰に回すと、何と2人を抱えたまま軽々と跳躍したのだ。
デコボコに出っ張った岩場を上手く利用しながら、テイルモンは2人を抱えて穴の外へと脱出する。
2人を下ろす。ヒカリとなっちゃんは、目を白黒させながらテイルモンを見下
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ