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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
まだまだあたしは、甘かった。
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と思っていたらいきなり手首を掴み、刻まれているその令呪を目を大きく開いて見ている。
「母さん、それは令呪って言ってサーヴァントの」
その言葉は、遮られた。
「った…。」
平手打ちによって。
「あなた!!なに考えてるの!!!」
「は…?」
「悪魔と契約するだなんて!!嗚呼…どうしましょうあなた…!!」
令呪を見て、平手打ちをして、さらに母はその場に泣き崩れた。
そんな母を父は支え、そして
「お前…お前は人間として最低のことをしたんだぞ…!!」
今まで見たことがないくらいの怒りの感情を顔に刻ませていた。
「い、いやちょっとまって。悪魔って」
「そこの後ろの人が悪魔ね!!」
「違う!香子は…紫式部は悪魔なんかじゃ…」
「うるさい!!お前の話は聞いていられるか!!見損なったぞ葵!!」
訳もわからず両親から怒鳴られ、訳がわからなくなる。
さらに建物から何人もの教徒が慌てた様子でやってきて、皆手には何かしらの武器を持っていた。
「悪魔だ!!」
「悪魔が来たぞ!!」
「偉人の名を騙る不届き者め!!」
やって来た人も皆口を揃えて香子を悪魔と罵る。
これは、一体どういうことなんだ。
「葵様…!」
「うちの娘に近づかないで!!この穢らわしい化物ッ!!」
香子に手を伸ばそうとするが、母にそれを遮られてしまう。
「私は…ただ葵様をお守りしたく」
「嘘はそこまでよ!そうやって葵を騙して契約まで結ばせて!!もうこれ以上!うちの娘をあなたの好きにはさせないわ!!」
「…。」
これは…なんだ?
香子が…悪魔?
「そうだ!悪魔だ!!」
「悪魔は出ていけ!いや!俺達が殺してやる!!」
武器を持たない人達は石を拾い上げ、香子に向けて投げ始める。
「やめろ!!やめろよ!!おい!!」
あたしが声を張り上げてやめさせようとするが意味はなかった。
そして
「緊急浄化を行いましょう!」
「緊急浄化だって!?少し荒療治かもしれないが仕方がない!!ほら葵!来なさい!!」
あたしは手を引っ張られ、伸ばした手は香子には到底届かずやがて扉によって完全に遮られてしまった。
「おい!ふざけるなよ!!」
あたしを取り押さえる教徒の人達。
暴れて抵抗するがさすがに大の大人には敵わず、無駄に終わってしまった。
「母さん!父さん!」
前を歩く二人を呼ぶも、返事はない。
ただ二人とあたしを連れた教徒は建物に入ると、そこからさらに地下へと降りていった。
「何するんだよ!!ねぇ!!」
「今、楽にしてやるからな…!」
父の小声だけが聞こえ、あたしはどんどんその地下へと連れていかれる。
?
「葵…様…。」
一方その頃、
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