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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
まだまだあたしは、甘かった。
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魔を倒すまで
、人間同盟が滅びることはありません。
一刻も早く、この世に悪魔のいないかつての世界を取り戻せるよう、我々人間同盟は尽力いたします。
人間同盟教祖 神代正義』
と。
?
「ついたよ。ほらあそこ。」
廃墟の影に下ろしてもらい、田所先輩が指差した方を見てみればそこには確かに真っ白な建物があった。
崩れている建物の中に一つ、真っ白な建物がある。
芸術性を感じられそうな風景だが今はそれに見とれている場合ではない。
「じゃ、行ってらっしゃい。家族三人で帰ってきてね。」
「はい。いってきます。」
田所先輩に手を振って見送られ、あたしと香子はその建物に向かって歩いていく。
ある程度まで近付くと、入り口で見張りをしていた教徒らしき二人の男がこちらに気付いた。
「止まれ。」
ボウガンをこちらに向け、それだけ言う。
「何者だ?」
「いや、あたしは人探しをしてて…。」
「人探し…?」
「はい、ここに源 紗知って人と広志っていう人、いませんか?」
「…。」
見張りの二人は互いの顔を見て、なにやらひそひそ話を始める。
そして少し言葉を交わすと
「待っていろ。」
そういい、一人の見張りが建物の中へと入っていった。
「お前、名前は?」
「源 葵。さっき言った二人の娘です。」
「娘!?支部長の!?」
残った一人があたしに名前を聞いてくる。
するとどうだろうか、とんでもない事実が聞けた。
「え、し、支部長って…。」
「何故支部長の名前を知っているんだと最初は驚いたが…そうか、二人の娘だったとはな。」
今まで怖かったろう、と言いさっきまで険しかったその顔は柔和な表情へと変化していた。
「お連れの方は?」
「ああ、この人はあたしの…」
「葵!!」
見張りに香子の紹介をしようとしたその時、あたしの名前を呼ぶ声がした。
「葵…葵なのか!?」
「母さん…父さん…?」
扉をあけてやって来たのはやはりあたしの両親だった。
そして母はあたしを見るなり、人目もはばからず走ってあたしを抱き締めた。
「か、母さん!?」
「あぁ!葵!生きていたのね…!本当に良かった!!」
そして父はそれを優しく見守り、見張りも親子の感動の再会に涙を流していた。
「本当に良かったよ。これでまた、家族三人仲良く暮らせるな。」
「うん…そうなんだけど母さん父さん。あたしも色々聞きたいことあってさ。」
何故ここにいるのか、そして支部長とはどういうことなのか、とにかくまぁ本人から聞きたいことは他にもたくさんある。
とりあえずあたしは母を引き離そうとした、その時だ。
「…!」
「…え?なに?」
絶句する母。
何事か
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