64 藤木茂の好きな人
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わ」
「ありがとう!」
藤木は嬉しくて舞い上がった。
(ああ〜、笹山さ〜ん!)
(藤木君、さっきは誤魔化してたのに、誘われるとあんなに嬉しくなって、何なんだろう・・・?)
かよ子は藤木が怪しく思った。
休み時間、かよ子はまる子、たまえと話していた。
「ねえ、ねえ、藤木君ってどうして私達の話を聞いてて、それで誘われて嬉しくなってたの?」
「ああ〜、かよちゃん、実はね、藤木は笹山さんが好きなんだよ〜」
「ええ〜、そうなんだ!!」
「でも卑怯を直さなきゃ、藤木の恋は一方通行だろうね〜」
「う、うん・・・」
(でも、私もおっちょこちょいだし、私の杉山君への恋って一方通行かもしれないし・・・)
かよ子は自分も藤木の事が言えないと思った。
「でも、笹山さんは優しいし、藤木が好きになるのも分かるんだけどね・・・」
「まあ、そうだよね」
一方、藤木の方は嬉しすぎて興奮が収まりきれていなかった。
(ああ、笹山さん・・・)
「藤木君」
友人の永沢君男に不意に呼ばれた。
「君、もしかして笹山と高校の文化祭に行ける事がそんなに嬉しいのかい?」
「い、いや、そ、そんな事ないさ!!」
「じゃあ、何でそんなにウキウキしてるんだい?」
「そ、それは、その・・・」
藤木は適切な言い訳が思い浮かばなかった。
「ま、まあ、まあ、永沢君も一緒に行かないかい?」
「僕はお断りだね。それより君、本当に笹山と文化祭を楽しめると思ってるのかい?」
「ど、どういう事だい?」
「君、運がないだろ。ヒヤシンスも腐っちゃったくらいだからね。もしかしたらその肝心の文化祭の当日に笹山が来れなくなっちゃうなんて事があるかもしれないね」
「え、ええ〜!?」
藤木は不安に駆られた。
まき子は奈美子の家にいた。
「そうなの。さりちゃんが神戸のゆりちゃんの所に」
「それで、ゆりも異世界の人間と関わってたんだって。そのゆりの隣の家に住んでる健ちゃんと同じくらいの年の子も異世界の道具を貰って戦ってた事があったんだって」
「そうなの。全国的に闘いが激しくなってるのね」
「うん、大きな闘いになりそうね・・・」
「あ、もうこんな時間、そろそろかよ子が帰ってくる頃だわ。じゃあ、失礼します」
「うん、じゃあね」
まき子は自分の家に戻り、娘を待った。その10分後、かよ子が帰って来た。
「只今」
「お帰り」
かよ子は早速宿題を済ませ、おやつの煎餅とどら焼きを食べる。
「かよ子、隣のおばさんの子で名古屋にいるさりちゃんなんだけど」
「さりちゃん、あのお姉ちゃんかあ・・・」
かよ子はさりと七夕豪雨の時に日本赤軍の一員と戦争を司る世界からの刺客に対して共闘した事を思い出した。
「さりお姉ちゃんがどうしたの?」
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