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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
人と希望 前編
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「負けられないんだぁ!!」

最期の攻撃。これで仕留められなければ希望が完全に断たれる。そんな思いの中放たれたブレスは瞬く間に少年を飲み込む。

「シリル!!」

少女の絶叫。そうなるのも無理がないほどの威力のブレス。それに飲み込まれたはずの少年は・・・









その攻撃を突っ切り、ティオスの前へと現れた。

「そんな・・・」

もう自分には力が残されていない。それなのに目の前の敵はなおも突き進み、自らの間合いに入ってきていた。目に涙を浮かべながら。

「さようなら、未来の俺たち」

手刀が彼の首に傷を付ける。そこからは噴水のように赤い液体が吹き上がった。

(もう・・・意識も保てない・・・それでも・・・)

こいつらを殺したい。そんな感情が沸き上がる彼の中から、一人の懐かしい声が聞こえる。

『もういいんだよ、レオン』
「シリ・・・ル・・・」

その声ですぐにわかった。目の前にいる別の時代の少年ではない、共にふざけ、共に笑った親友の声に。

『ごめんね、お前一人に全部背負わせて』

目の前の少年のように涙ながらに声をかけてくる親友。しかし、それでも彼は納得できなかった。

「それでも・・・俺は・・・」
『お前がアクノロギアを倒してくれたおかげで、この時代の俺たちは幸せになれる。それでいいじゃないか』

人類の最大の脅威は取り除かれている。もう自分たちを襲ったような絶望の未来は訪れない。

「でも・・・でもさぁ・・・」
『うん・・・レオンの言いたいことはよくわかるよ』

薄れ行く意識の中、それでも青年は納得できずに涙を流す。その理由を、一番の友はよくわかっていた。

「『そんな幸せになれる未来があるなら、俺たちに少しぐらい分けてくれたってよかったじゃないか』」

地面に背中から着地すると、その衝撃により完全に意識が飛んでしまうティオス。静かに閉じられたその瞳は、二度と開くことはない。

「勝った・・・?」

遠目から見ていた魔導士たち。彼らは完全に動きを止めた相手を見て、顔を見合わせた。

「ハァ・・・ハァ・・・」

そして、最前線で戦っていた少年が翼を消し、その場に座り込んだことで勝敗が決したことを確信した。

「やった・・・」
「「「「「やったぞぉぉぉぉぉぉ!!」」」」」

人々に絶望を与え続け、苦しませ続けてきたティオス。その最凶最悪の敵を倒したことに彼らは喜びを爆発させた。

「勝った!!勝ったんだ!!」
「これで残すは天海のみ!!」
「ナツ!!あとは・・・」

残る一つの戦い。それを見届けようと全員がそちらに視線を向ける。きっと彼なら勝利を納めてくれる。今までだってずっとそうだったのだから。そ
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