人と希望 前編
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きってな」
「なん・・・だと?」
自分を生き返られるために大切な友が死んでしまった事実に震えてしまう。それは、次第に怒りへと変わっていく。
「シリルは!?あいつは何をしてたんだ!?」
ローグならシリルが何かしたなら真っ先に彼の名前を出すことはわかっている。それなのに名前が出てこないということは、彼は何もしていないのかと八つ当たりしたくなる。
「レオン・・・お前を蘇らせるための器がシリルなんだ・・・」
「何?・・・」
「アクノロギアに挑んだシリルは敗北し、意識を失った。いつ目覚めるかもわからないなら、いっそのことお前に捧げる肉体にしてしまおうとなって・・・」
その一言で何も反論できなくなる。一番の友は敵に果敢に挑んでいたのだ。それでは責めることなどできるはずがない。
「シェリアは?」
「・・・」
「シェリアはどこにいる!?」
一番自分を理解している幼馴染みがどこにいるのか、それを問いただしても彼は口を開かない。そんな時に気が付いたのだ、少女の匂いに。
「こっちか!?」
「待て!!レオン!!」
シリルの肉体を使ったこと、完全にレオンとして復活できなかったことが幸いしドラゴンのような嗅覚を手にいれたレオン。彼は走り出すと、最愛の少女の匂いのする部屋の扉を開ける。
そこに広がっていたのは、絶望だった。
「うわあああああああああ!!」
切り刻まれた少女の体・・・頭の部分が残っていなければ誰か判別することもできないほどになっている幼馴染みに、絶叫し、涙を流しながら膝をつく。
「第三魔法源を解放するために、その魔法をかけられたシェリアの体を解剖させてもらったんだ。もちろん!!本人の了承は得ている!!」
怒りと悲しみに体を震わせる彼に対してできる言い訳がこれが限界だった。次に彼がどんな行動に出るのか怯えながら待っていると、意外なことに少年は冷静な表情になっていた。
「アクノロギアはどこだ?」
「こっちだ」
早速彼が戦いに出向いてくれる。それだけで希望の芽が出てくると笑顔を見せる人類。しかし、アクノロギアを見たレオンは開口一番こう告げる。
「俺じゃ無理だな」
ウソだった。レオンなら力をつけていたアクノロギアでも楽勝で倒せる。しかし、この時彼の頭の中にはすでに計画が練られていたのだ。
「エクリプスに魔力を溜めさせろ、力を付ける前のアクノロギアを倒してくる」
この絶望を変えるためと思わせるためのウソ。本当は彼の中には、そんな感情微塵も残っていない。
(過去に行き、アクノロギアを倒すだけでは足りない。この時代にいる人間も、シェリアたちだけを犠牲にしたお前たちの過去も全てを終わらせてやる)
小さな少年少女たちを犠牲にし、自分
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