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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
人と希望 前編
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をその身に宿した少年は、大きなダメージを受けるようなことはなかった。

「くっ・・・」

漆黒の翼を羽ばたかせ、上空へと昇っていくティオス。対してシリルもそれを追いかけるように純白の翼を羽ばたかせ、飛び上がる。







「炎竜王の咆哮!!」

上空での戦いにもつれ込んだ彼らとは異なり、地上の二人も激しさをより増していた。

「炎竜王の煌炎!!」

ブレスを放ち天海を飲み込んだ直後に追撃の一撃。かつて大陸を支配していたドラゴンを思わせるような魔法を連続で放つ青年。

「いい・・・いいぞ!!」

(イグニール)の力に迫りつつあるその攻撃を受けても、目の前の男はまるで無傷だった。

「いつまでも・・・余裕ぶっこいでんじゃねぇぞ!!」

新たな強者の登場に笑みを抑え切れずにいる天海を見て、さらに炎を爆発させるナツ。そんな彼の周りの炎に、さらに雷が纏わりついてくる。

「モード雷炎竜!!」

炎竜王としての魔力に先に戦ってくれたラクサスの雷でさらにパワーアップする。みるみる力を上げていく彼の姿に、天海もまた力で応える。











「竜魔の砕牙!!」

スタートからトップスピードで突進したシリル。彼の速度は凄まじく、同方向に逃げていたはずのティオスに攻撃をぶつけているのだ。

「これほどまでとは・・・だが!!」

通り過ぎてすぐに切り返してくる敵を見て待ち構えるティオス。彼は圧倒的速度の天使の子の姿を、確実に捉えていた。

「そこだ!!」

カウンターパンチ・・・向かってきていた少年の頬を完璧に捉えてみせると、少年は自らの速度の反動もあり、一時的に脳震盪を起こしてしまう。

「力にお前の思考がついていけてないな」
「!!」

動きが止まり、落ちていきそうになった少年の胸ぐらを掴むと、すぐさま次の一手に出ようとするティオス。

「竜魔神の・・・」

強大な魔力をその拳へと集中させていく。受けてしまえば一溜りもないであろうその攻撃が迫ってきているにも関わらず、少年の体は言うことを聞かない。

「永久ーー」

魔法を放とうとした。しかし、彼の視界は突然揺れ、少年の姿を捉えることができない。

「また・・・これは一体・・・」

視界のぐらつき・・・それに加えて突然の倦怠感が肉体を襲ってくる。その結果、青年は手元に力が入らず、少年を離してしまった。

「シリル!!」
「っ・・・」

幼馴染みの少女の声で、地面ギリギリで体の自由を取り戻した少年は、すぐさま敵へと目を向ける。その肝心な敵は、頭を抑えながらフラフラと地上に降りてくると、開いていた翼が少しずつ小さくなっている。

「くそっ!!」

やけになりつつ
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