人と希望 前編
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竜の力を解放し人類最大の脅威と向き合うシリルとナツ。対峙するティオスと天海も、彼らの体内にある魔力の高さを感じ取っていた。
「カミューニさん」
「ラクサス」
それぞれの倒すべき敵を見据えながら、彼らを己の限界の限り引き付けてくれた二人に視線を向ける。
「ありがとうございます」
「必ずこいつらは倒す!!」
二人の頑張りを無駄にしないため、覚悟を決めて突撃する。その速度はこれまでの彼らを悠に越えていた。
「な・・・」
「ほう」
思いがけないスピードに体当たりを受ける二人。片腕を失っているティオスはバランスをうまく取れず倒れ、天海はなんとか踏ん張っている。
「竜魔の・・・」
「炎竜王の・・・」
シリルはティオスに、ナツは天海に向かってジャンプをすると、大きく頬を膨らませる。
「「咆哮!!」」
炎と水と風。二人のブレスが合わさり真下にいる敵へと放たれる。それは瞬く間に彼らを・・・
「こいつはいいな」
飲み込もうとしたが、天海に軽く払われてしまった。
「シリル!!俺にあいつはやらせてくれ!!」
地上に降りたと同時にそう叫ぶ炎の竜。それを受けたシリルは、小さくうなずいてみせた。
「わかりました。俺がティオスを倒します」
目配せをしてうなずくと、真っ先にナツが兄の仇である天海へと突進していく。
「ティオス、手を抜くなよ」
「あぁ、わかってるよ」
自身を標的にしているとすぐにわかった天海はそう言うと、立ち上がりながら面倒くさそうに答えるティオスを横目で見る。
「ティオス」
「まだ何か?」
「手を抜くなよ?」
大事なことだから二度言ったとはこのことかと内心で思っているティオス。天海はそんな彼のことなど気にする素振りも見せず、向かってくる炎の魔導士に突進する。
「炎竜王の崩拳!!」
ぶつかり合う両者の拳、その力はまさしく均衡しており、衝撃と共に砂煙が舞い上がる。
「竜魔の・・・」
「!!」
その砂煙を利用し、ティオスの目の前へと飛んできていたシリル。咄嗟に左腕でガードをするが、少年の拳はそれをものともしなかった。
「鉄拳!!」
振り抜かれた右手。小さな拳に集約された魔力は強大な悪を押し飛ばす。
「何!?」
思わぬパワーに驚愕する。そんな彼を追いかけるように、翼を広げた天使の子は向かっていく。
「竜魔の鉤爪!!」
今度は蹴り。目と鼻の先まで来ていたそれを、青年は翼を広げて飛び上がり、回避する。
「竜魔神の握撃!!」
「ぐっ!!」
今度は上空から悪魔の反撃。重力も合わさっていることで威力は絶大・・・それでも・・・
「まだまだぁ!!」
仲間の力
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