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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第44話:病室ではお静かに
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「喰らいなッ!!」
[LAST∞METEOR]
「うおぉぉりゃぁぁぁぁっ!!」
[我流・撃槍衝打]
翼の、奏の、響の放つ技が無防備となったノイズに同時に突き刺さる。大型とは言えギガノイズにも劣る体躯のノイズに耐えきれる筈も無く、3人の攻撃を同時に喰らったノイズは炭素の塵となって風に流されていった。
それを見届けると同時に、あおいから通信が入った。どうやら今のが最後のノイズだったらしい。
それを聞いて装者3人はシンフォギアを解除し、颯人も変身を解いた。
「よ! 3人ともお疲れさん」
「颯人さん、さっきはありがとうございました!」
颯人が声を掛けると、響が開口一番に感謝の言葉を口にした。先程は彼があのノイズの気を引いてくれなければ、響がかなり痛い目に遭っていただろう。正に危機一髪と言うタイミングだった。
「な〜に、良いって事よ」
「アタシも助かったよ。でも何であの時、あのノイズは響を攻撃しないで颯人の方を攻撃したんだ? それも律儀に分身全員に?」
奏はそこが腑に落ちなかった。仮に彼女があのノイズの立場であれば、どう状況が変化しようがとりあえず響にだけは攻撃を仕掛けておく。あのノイズの様に、標的を変えて確実に攻撃できる相手を放置するようなことはしない。
その疑問の答えは、翼の口から語られた。
「奏と立花は気付いていなかったみたいだけど、あのノイズは音に反応して攻撃を仕掛けるみたいなの」
「音?」
「気付かなかったか? あのタコ野郎、声出してる方にだけ攻撃仕掛けてたんだぜ」
言われてみれば、最初に響と戦った時も奏が参戦した時も、ノイズにしては正確過ぎる狙いで攻撃を仕掛けてきていた。図体の割に随分と俊敏に動くノイズだと疑問を抱いていたが、それは他のノイズと違い音に反応して動いていたからだったのだ。戦いにおいては基本歌を歌わなければならない、シンフォギアにとってある種の天敵の様なノイズである。
だからこそ颯人は先程、態々何人にも分身してノイズの注意を引く為に声を上げたのだ。そうすればあのノイズは確実にそちらを優先的に狙う。そしてその瞬間が最も隙が出来る瞬間であった。
颯人からそれらの事を聞かされ素直に感心する奏と響。2人からの視線に颯人は得意げに笑い、引き上げようと右手にテレポート・ウィザードリングを着けようとした。
そんな彼の後頭部を、何者かが手刀で引っ叩いた。
「んげっ?! な、何だ誰だッ!?」
突然の事に颯人が面食らいながら背後を振り返ると、そこには右手で手刀を構えたウィズが佇んでいた。
突然手刀で殴られた事に、当然ながら颯人は食って掛かった。
「何しやがんだッ!?」
「これを見てもまだそんな事が言えるのか?」
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