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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第44話:病室ではお静かに
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! なら、透が動けない今あたしだけでもいかないと──!?」
掛け布団を跳ね除けて動こうとするクリスだったが、アルドは彼女の両肩を掴むと強引に押し倒して布団に寝かしつけた。
「うっ!? は、放せよッ!?」
「駄目です。あなたが戦闘に出ることは許可できません」
「そもそも、戦闘に出てそのまま逃げられたら事だ。返す訳がないだろう」
「透がここに居るなら、絶対戻ってくる! だから──」
尚も食い下がって戦わせろと懇願するクリスだったが、その頬を突然アルドが引っ叩いた。彼女の行動にウィズは何も言わず彼女を注視し、クリスは一瞬呆気に取られてしまった。
しかし直ぐに頬を叩かれたことに対する怒りが湧いたのか、顔を赤くして文句を口にした。
「な、何すんだッ!?」
「落ち着きなさい。ノイズが囮で、本命は魔法使いだと言う可能性を考えないのですか?」
「あ────」
アルドに言われてクリスも気付いた。先日まで執拗に魔法使いが追跡していたのに、ここに来てノイズに捜索させる理由など炙り出し以外にある訳がない。
大方クリスと透の人の好さに付け込んで、人々がノイズの脅威に晒されたのを黙って見ている事が出来なくなって出てきたところで魔法使いに襲撃させる腹積もりだったのだろう。それが分かっているのに戦いに出るなど、無謀でしかない。
「でも、それじゃあ…………」
それでも、何もせずにジッとしているなど、クリスには我慢ならなかった。自分達の所為で関係ない者達が巻き込まれるなどあってはならない。
しかしハッキリ言って彼女の心配と苦悩は無用であった。何故ならノイズの対処が出来る者は、彼女達だけではないのだから。
「無用な心配だな。今頃は、二課の装者と颯人が出撃している筈だ。ノイズだけなら対処は容易だろう」
ウィズがどこか宥める様にそう告げると、アルドが寝かせたクリスに掛け布団を掛けて彼女の胸の辺りをそっと押さえた。ここで漸く彼女も観念したのか、それ以上の抵抗を止め大人しくなった。
クリスが大人しくなったのを見て、ウィズは一安心したかのように息を吐くと右手の指輪をテレポート・ウィザードリングに交換した。
「大丈夫だとは思うが念の為だ、私は少し外に出て様子を見てくる。ここは任せたぞ。特に、じゃじゃ馬娘がおイタをしないようにな」
〈テレポート、ナーウ〉
次の瞬間にはウィズは魔法で転移して部屋から消えた。
あとに残された、アルドは透の様子を見て再び濡れタオルで彼の額に浮かんだ汗を拭い、クリスはウィズが最後に残した言葉に彼が先程まで居た場所を睨み付けているのだった。
***
一方、街に出現したノイズにはウィズが言った通り颯人と二課の装者達が対応してい
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