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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第44話:病室ではお静かに
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リスと透には抵抗の為の手段が無くなってしまった事になる。
「…………何が目的だ?」
何とか心を落ち着けて、ここは一先ず大人しくしてウィズの油断を誘う方法に切り替えるクリス。もしかしたら、装備を取り返すだけの隙が出来るかもしれない。
「私の目的はそちらの少年──北上 透の方だ」
「透が?」
「彼はジェネシスの幹部候補だ。それもなかなかに腕が立つときた。となると、何か組織についての情報を持っているのではないかと思ってな」
ウィズの言葉に、クリスは頭を働かせた。ウィズが嘘を吐いていないのであれば、透は彼にとって貴重な情報源。無碍に扱うようなことはしないだろう。
生憎とクリスには透の持っている情報がどの様なものなのかは分からないが、少しの間の安全は確保されたと考えて良いかもしれない。
だが、ここではい分かりましたと首を縦に振るような事をするほどクリスは不用心ではなかった。
「情報提供については透が起きてからとして、だ。透から情報を聞き出した後…………あたしらはどうなる?」
それが重要な所だった。ウィズは信用ならない相手だ。こちらから情報を聞き出したら、もう用済みと言って始末してこないとも限らない。
その懸念を察したのか、ウィズは落ち着いた声でクリスからの問い掛けに答えた。
「安心しろ、用事が済めば解放してやる。ギアも指輪も返し、自由にすることを約束しよう」
クリスはウィズの言葉を吟味した。仮面で顔が隠れている為表情を読み取ることは出来ないし、メンタリストの類でもないので僅かな仕草から何かを察する事も出来ない。だが過酷な過去を生きた経験が、クリスに常人以上の危機感知能力に近いものを持たせていた。
それに従えば、ウィズの言葉に危険なものは感じられなかった。少なくとも装備を返し、自由にすると言う言葉に嘘はなさそうだ。
だが────
「信用できねぇな」
「ふむ?」
「大人はどいつもこいつも嘘吐きだ! フィーネだって、アタシらを裏切った! お前も大人なんだろう? 都合の良い話でアタシらを釣っておいて、必要無くなったら始末しないってのをどうしたら信用できる!?」
怒りと憎しみの籠ったクリスの言葉にウィズは何かを考え込むように腕組をすると、徐に彼女に近付き手を伸ばした。
突然の彼の行動にクリスは身構えるが、彼の手がクリスに触れる事は無かった。
何故なら、伸ばされたウィズの手を透が掴んで引き留めたからだ。
今の今まで眠っていた筈の透が起きるどころか、ウィズの手を掴んでクリスに触れないようにしている事に2人は驚いた。
「ッ!? 何?」
「透ッ!?」
ウィズの手を掴んで引き留める透だが、その様子はとても回復したとは言い難い。呼吸は相変わらず粗いし
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