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ナイン・レコード
ちいさなしまのおはなし
闇に潜む者
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ミも引っかかることがあったようで、そんなことを聞いてきた。
さっきっからブイモン達がずーっとだんまりなのである。
最年少のパートナーだけあって、探検や探索となったら大輔達と同じように張り切って、騒がしいはずのブイモン達が、ずーっと黙り込んでいるのである。
と言うか、ここに入ってきた時から、最年少は妙に静かだった。
散策する時だって、アンドロモンの工場の時は積極的にやりたいやりたいって上級生達に詰め寄って困らせていたのに、この屋敷に入って太一が散策しようって言いだした時は、特に何も言ってこなかったのだ。
組み合わせを決めたのは太一だったが(どうせお前らまた3人でやりたいって言うんだろ?とか言って)、その時だって元気よく返事をするのかと思いきや、黙ってそれぞれ目配せしていただけだった。
あれ?とは思ったけれど、すんなりと組み合わせが決まったので、太一がさっさと解散して散策を促してしまったから、言及することもできずにそのまま忘れてしまっていた。

「えっと……」

どうして手を繋いでいるのか、そんなことを言及されると思っていなかった大輔は、言葉を詰まらせる。
何と言ってよいものか、と考えあぐねている大輔に、助け船を出したのはブイモンであった。

『……お、俺、お腹空いちゃって。それで、ダイスケが引っ張ってくれてるんだ』
『……ボ、ボクも』
『アタシも……』
「ああ、なるほど」

デジモン達は、子ども達以上によく食べる。
お腹がすくタイミングはほぼ一緒でも、食べる量が子ども達の倍か、それ以上なのだ。
特にアグモン、テントモン、ゴマモン、そしてブイモンが食いしん坊の筆頭で、子ども達が苦労して集めた食べ物を、あっという間に平らげてしまう。
何日かに分けて非常食にしたくとも、デジモン達が全部平らげてしまうせいで、残ることが殆どない。
最初こそ少しは遠慮しろって怒っていた太一達だったが、進化が出来るようになるとエネルギーを膨大に消費してしまうせいで、以前よりも更に食べるようになったアグモン達に、それ以上文句は言えなかった。
ブイモン達はまだ進化を果たしていない。果たしていないが故に、アグモン達ほど疲れてはいない。
動き回る体力は残っているが、それでも減るものは減る、ということである。

「そうだったの。みんな優しいのね」

納得したらしいミミはにっこり笑って最年少を褒める。
が、強引に誤魔化した自覚のある最年少3人は、曖昧に微笑みを返すことしかできなかった。




食堂を見つけた一行は、食事の用意を始める。
キッチンもあったので、何か食材になるものがあるかもしれないと期待したが、冷蔵庫は見当たらなかったし、キッチン中の棚をひっくり返してみたが、食材になりそうなものはなかった。
がっかりした空気がキッチ
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