ちいさなしまのおはなし
闇に潜む者
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わるベッドをコントロールする権利を持たず、ただ虚しく宙をかく左手を、どんどん離れていく妹に伸ばすことしかできない。
「お兄ちゃん、助けてぇ!」
「賢っ!!けぇえええええん!!」
今にも泣きそうになっている弟が、必死に兄に助けを求めている。
だが兄は、弟の名を叫ぶことしか許されなかった。
『最早お前たちなど、私の敵ではない……。私が直接手を下すまでもなかろう……。お前たちに、この世界は救えない。何故なら、ここがお前たちの墓場となるのだ!!』
左手を掲げるデビモン。
その手から放出された闇のエネルギーは、ぞっとするほど冷たいものを感じた。
子ども達を乗せながら暴れていたベッドは、更に狂暴性を増し、スピードを上げる。
成す術がない子ども達は、どんどん仲間達から離れていくベッドに、しがみつく他なかった。
やがて、子ども達は小さく千切られた島のそれぞれに吸い込まれるようにして、その姿をデビモンの前から消してしまった。
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