最終章 大魔王の夢 - 不毛の大地グレブド・ヘル -
第46話 種族の壁
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またエリファスのほうを向く。
「海でクラーケンがシーサーペントに真っ向勝負で勝つことはない。この世界に生きている以上、種族の壁を超えることは困難だ」
「ほう。ならば今の私の馬鹿力はなんなのでしょうかな」
大魔王がエリファスのために用意していたという大剣エメス。背中に背負っているそれを、彼は片手で軽々と掲げた。
「私は何度も死にかけるほどの訓練をして今の力を手にしました。それでも足りないということであれば、彼らがここにやってくるまで、少しでも勝つための準備をするまでです」
エリファスは踵を返し、大魔王の間から出て行った。
ダヴィドレイは天井を一度見上げ、また背後の棺に話しかけた。
「大自然の壁。それを破るのは究極の未来生物・アンデッドでなければ不可能なのだ」
「エリファス殿の生い立ち。気になりますな」
背中から声をかけられ、ダヴィドレイはまた振り返った。
そこには、宝玉のついた立派な杖を持ち、黒いフード付きの外套に身を包んだ背の高い男……いや、白骨が立っていた。
「お前か。前に『知る必要はない』と自分で言っていなかったか」
「なぜかこの姿になってから知りたくなりましてね」
「ほう。人間をやめてから逆に好奇心が出てきたということかな」
「どうでしょう。ですが確認をしてみたくなったのです。彼がどれだけ哀れな生き物であるのかということをね」
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