第二百八十話 テストの中もその十
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「自画像も凄かったしね」
「そうだったのね」
「もうその自画像見た瞬間思ったから」
「おかしくなっているって」
「確か」
ここで僕は自分のスマートフォンを取り出した、そしてその自画像を検索すると細長くてやけに目が大きいそれが出て来た。
それを詩織さんに見せると詩織さんもこう言った。
「これはね」
「間違いないよね」
「ええ」
こう僕に答えた。
「おかしいわね」
「そうだよね」
「ついていけない感じがするわ」
「死神みたいだよね」
「芥川って美形じゃない」
「そうそう、太宰もそうだけれど」
僕は芥川の顔についてすぐに答えた。
「実はね」
「美形なのよね、芥川って」
「そうなんだよね」
「俳優さんになれる位に」
「何でも出っ歯で」
このことをいつも気にしていたらしい。
「口を閉じる様にしていたらしいけれど」
「そうだったの」
「うん、けれど実際にね」
「芥川って美形よね」
「太宰とどっちがっていう位にね」
「ええ、あと志賀直哉もね」
「そうそう、あの人も若い頃の写真見たら」
その芥川を批判していて太宰が批判した人だ。
「結構以上にね」
「美形よね」
「あと三島由紀夫もね」
「あの人なんか恰好いい感じね」
「この人は映画にも出ていたしね」
そして舞台にも出ていた。
「かなり映える人だね」
「そうよね」
「作家でも美形だとね」
それならそれでだ。
「印象に残るんだよね」
「そうよね」
「作家で美形の人はこの四人かな、島崎藤村もだけれど」
僕が知っている限りではだ。
「文学者では福田恒存さんもね」
「その人もなのね」
「若い頃かなりだったよ」
「ううん、そうだったの」
「写真見たらね、ただ芥川とか太宰は」
この人達はだ。
「本当に俳優さんにもね」
「なれた位ね」
「凄い美形だったね」
「太宰ってもてたっていうしね」
「うん、実際愛人いたしね」
そのうちの一人の人と女の子が出来て認知もしている、それで奥さんとの間に出来た娘さんの一人がその人のことを避けていたと聞いている。
「あの人は」
「芥川もそういう話あって」
「二人共もてたみたいだよ」
「それはわかるわ」
「島崎藤村ももてて」
美形だったからだ。
「それでね」
「あの人確か姪の人と」
「その話あるからね」
「とんでもないお話よね」
「これは洒落になってないけれど」
それでもだ。
「実際にね」
「あの人ももてたのね」
「そうなんだ」
何かそれを藤村は姪の父親であるお兄さんの一人に知られて血は争えないと言われたらしい。何でも藤村の家はそうしたお話が続いたとのことだ。
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