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学園黙示録 Highschool Of The Dead 〜壊れた世界と紅の狼〜
学校脱出
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報を流したって、9割の人間は信じないだろうよ。『明日になればまたいつもの日常が戻って来る』と信じる奴の方が多いだろうよ。問題は食い止める方法がないってことだな」
「ええ、
感染大災害
(
パンデミック
)
よ、しかも非常に性質が悪い」
「………止める方法がないのか!?」
「あると言えばあるんだが、それがなぁ………」
感染者を全員殺すことだが。
現在の状況下じゃ、無理に近い。
なんせ、片っ端から噛まれて、止めようにも止まらん状況なんだよね。
生存者も<奴等>もまるごと殺していいのであれば、止まる可能性はあるけど。
「じゃあ、これは中世紀に起きた黒死病みたいなモノなのね?」
「鞠川先生、よく知ってますね?」
「これでも校医よ〜」
「その時はどれぐらいの被害だったんだ?」
「あの時は、ヨーロッパの全体人口の三分の一が死者に変わったわ。だけど、急に黒死病が消えて被害が収まったのよ」
「なんで?」
「感染出来る人間がいなくなったから! 感染者がいなくなれば、自然に病原体も消えたの」
孝達はこの状況下を高城に詳しく教えてもらっていた。
その間も俺は外の状況を確認した。
ほとんど、<奴等>だらけだな。
さっさと、移動しないと厄介だ。
すると、毒島先輩が様子を見に来た。
「どうだい、外の様子は?」
「最悪です。まだ悲鳴が聞こえていた方がマシですかね」
「移動は早くした方がいいかい?」
「出来れば………家から、車持ってくりゃよかったな」
「運転も出来るなんて、後は何が出来るんだい?」
「隠密行動に銃撃戦、家事洗濯はそれなりに出来ますよ。一人ぐらいしなんで」
「あっ、すまないことを聞いたな」
「別にいいです。さて、そろそろ脱出すんぞ、面倒になってきた」
「どうすんのよ?」
「マイクロバスがあるから、アレに乗れたら勝ち。乗れなければ負け。シンプルな理由だろ?」
全員はその理由を聞いて笑っていた。
俺達は職員室を音も立てず出ていき、途中で襲われていた生存者を数人助けた後、玄関口までやってきたがそこにはアホみたいに<奴等が>群がっていた。
「真紅狼」
「あいよ」
孝の合図で、俺は鋼糸を動かし<奴等>の首を吹き飛ばす。
「排除完了」
「良し、全員音を立てずに行くぞ」
「連中は音に反応するから、気をつけなさい」
先頭を孝と毒島先輩が率先し、その後麗、平野と続いていき、最後に俺が出ていく瞬間、俺の前でさすまたを大事そうに持っている男子生徒が、不注意で手すりと接触した。
カァァァァン!!
「走れーー!!」
「小室、なんで大声出すのよ! そのままやりすごせば………!!」
「無理だな、高城。結構鳴り響いた!」
「真紅狼の言う通りよ!!
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