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ドリトル先生の野球
第七幕その十

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「テレビ番組にしてもそうなのね」
「野球についてもそうで」
 それでと言ったのはガブガブでした。
「油断したら駄目ね」
「スポーツは普通に楽しみたいよ」
 トートーの言葉はぼやく感じでした。
「偏向とか悪いことを正しいとか言う嘘は抜きにね」
「うん、昭和の時の酷さは」
 先生はもう昔になっているその時代のお話もしました。
「漫画でもそうだったよ」
「もう主役は絶対に巨人」
「それで巨人が正義」
「そんなとんでもない時代のことね」
「本当に酷い時代だね」
「その時日本は経済も教育も政治もマルクス主義こそ正義だったけれど」
 それがというのです。
「野球は巨人でね」
「もう巨人は正しい」
「そうした状況で」
「漫画もそうだったんだ」
「巨人の十八番は他チームからの選手の強奪だね」
 もう出来なくなって今の万年最下位があるのです。
「そうだったね」
「あのお話酷いよね」
「どんな手を使ってもだし」
「悪質な政治じゃない」
「あそこまでいったら」
「そう、それも漫画でね」
 こちらでというのです。
「普通に許されていたんだ」
「酷いね」
「巨人なら何をしてもいいの?」
「他チームの有力な選手を強奪しても」
「それが許されていたの」
「今日本の特定の年代の人がモラルがない人が多いと言われるけれど」 
 このことについてもお話する先生でした。
「そうした漫画を読んできて巨人を応援してきたせいかもね」
「モラルのないチームをモラルって思っていたら」
「モラルがなくなるのも当然だね」
「そういえば日本の特定の年代の人には巨人ファン多いけれど」
「そうした人達にモラルのない人が多い」
「先生はそこに関係性を見ているんだ」
「実はね、巨人はね」
 このチームはというのです。
「そんな権力とお金と謀略を振りかざして」
「球界の盟主を気取って」
「もうふんぞり返っていた」
「そんなチームだったから」
「そんなチームを応援していたら」
 それこそというのです。
「モラルもおかしくなりかねないね」
「全くだよ」
「その人達はマルクス主義の影響も強かったし」
「余計におかしいのね」
「そのことからも」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「そんな漫画が普通に出てヒットしてね」
「読まれていた」
「何でもない風に」
「怖いね」
「モラルも何もないよ」
「しかもそれが健全な風に描かれていたから」
 巨人の選手の強奪がです。
「僕も読んでいて当時の日本のモラルは酷い一面もあったんだって思ったよ」
「それ何て漫画ですか?」
 トミーも先生のお話を聞いてどうかとなって先生に尋ねました。
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