第8章:拓かれる可能性
第256話「攻略作戦」
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誰が最高戦力かはわからない。
だが、優輝はかつてイリスを封印している。
そこから、優輝が最高戦力なのかと、クロノは考えていた。
「……結論から言えば、神としては天廻様の方が強い。だけど、イリスはそれ以上の強さを持つ。その上で勝利を掴むとすれば、最適なのは僕だろうな」
「“可能性”を掴む……と言う訳か」
「その通りだ」
これもまた、相性の問題だ。
単純な神の力としてでは、イリスに勝てる神は神界でも少ない。
だが、相性のいい神であれば、実力で劣っていても勝つ事が出来る。
それこそ、“可能性の性質”である優輝ならば、一対一であれば最低でも引き分けに持ち込む事が出来る。
「他に質問は?」
「襲ってくる神の内訳は推測出来ないかしら?」
「ほとんどは出来ないな。だけど、神界突入後に立ち塞がる神は少しだけ推測できるかもしれない。至極単純な予想だけどな」
今度の質問は椿によるものだ。
神の特徴が予想出来るのならば、対策も出来ると考えたのだろう。
だが、優輝はそれを実質出来ないと答えた。
その上で、ごく一部だけ分かるかもしれないと言う。
「神の力にも相性があるのはもう分かっているな?神の弱点を突けるのと同じように、当然ながら僕らにも弱点はある」
「……そうね」
「例えば椿は、近接戦が弱点だ。対策はしていても、克服しない限り弱点には変わりない。……敵は、確実にその弱点を突いて来る」
ただでさえ強力な“性質”が、苦手な部分をついて来る。
その厄介さが今更わからない程、皆馬鹿ではない。
「じゃあ、もしかして……!」
「司、奏、緋雪の場合だと……一度自分を倒した神が来るだろうな」
「ッ……!」
前回神界に突入し、撤退する時。
足止めに残った司達は、弱点を突いてきた神になす術なく負けた。
今度も同じなのだろうと、優輝は言う。
「そこから、敵の特徴は予測できる」
「なるほど……。弱点を突かれても負ける訳ではない。それでも“意志”の力で勝って見せろ……そう言いたいのね」
「勝つ必要はないが……弱点を突かれても負けないようにするには、それこそその意気でやらないと戦いにならないだろうな」
相手は苦手分野をついて来る。それでも勝て。……つまりはそう言いたいのだ。
最早、ただの行き過ぎた根性論だ。
「……上等だよ。そんな単純な精神論でどうにかなるなら、何とかなるよ」
「もっと複雑な攻略法だとどうしようかと思ったけど、そんな大まかなだけならどうにでも出来る。……ううん、してみせるよ」
葵と緋雪が不敵な笑みを浮かべてそう返事をする。
それに続くように、他の皆も次々と奮い立つ。
「……そうこなくちゃ
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