第8章:拓かれる可能性
第256話「攻略作戦」
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の?」
「基本、前回も突入したメンバーだ。ただ、その内何人かは残る事になる」
リンディの問いにすぐ答える。
一度でも神界に突入した者が行った方が、対応はしやすいだろう判断からだ。
「……少数精鋭による奇襲……?」
「その通りだ」
奏の呟きに、優輝は同意を返す。
「真正面からぶつかり合った所で、こちらの戦力が先に尽きる。そもそも、足止めをされているとイリスの分霊がさらに追加されてしまう。……故に、短期決戦でイリス本体へと肉薄する必要がある」
足止めを喰らえば食らうだけ、不利になる。
それならば速攻を仕掛けるしかないと、優輝は言う。
「作戦としては簡単だ。立ち塞がる敵が現れる度、突入部隊の内数人……出来れば一人だけで、敵の相手をして他のメンバーを先に進ませる」
「……囮、って事ね……」
一対一でさえ勝てるかわからない相手を、少数で足止めする。
それがどれだけ難しいのか、わからないはずがない。
「敵の数自体は、この世界を襲う分と、“光の性質”の神の勢力にぶつける分に割かれて、そこまで極端に多く出来ないはずだ。そして、敵が足止めを無視するという事も、あり得ないと言えるだろう」
普通なら、足止めされていると分かれば目の前の敵を倒す必要はなくなる。
厳密には優先順位が変わるため、相手をしていられなくなるはずだ。
だが、それは起こりえないと優輝は言う。
「それは、どうして?」
「前回突入した際に体験しただろう?同じ場所であるはずにも関わらず、戦場が分断されたというのを。あれと似たようなモノだ」
アリシアの疑問に優輝はそう答えた。
前回突入時の初戦闘において、優輝達はそれぞれの神の相手をする際、大した距離も離れていないにも関わらず、戦場が完全に分断されていた。
空間そのものを隔てたように、外部から干渉される事も、逆に干渉する事も出来ないようになっていた。
今回も、その性質を使うというのだ。
「単純な戦場の分断だと、空間関連の“性質”相手には突破されてしまう。そこは皆の“意志”に掛かっているから注意だ」
「“逃がさない”という“意志”があれば、敵に逃げられる事はなくなるはずよ」
「……アレか」
優奈の補足に、帝が実際にやった事を思い出す。
力を失った状態でも、その“意志”だけで相手の行動を封じる事が出来る。
理論にピンと来なかったが、実際に体験していた事で理解出来たのだ。
「ともかく、ごく僅かの人数で敵を足止めして、本命のイリスに最高戦力をぶつけるというのが大まかな作戦だ。……質問は?」
「最高戦力……と言うのは、君か?」
質問したのはクロノだ。
祈梨や天廻など、他にも神界の神はいるが、
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