第二百六十六話
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第二百六十六話 ワインから得られるもの
紅の濃厚な味の美酒を飲みつつカーミラは話した。
「吸血鬼は血を得て生きるものよ」
「はい、まさにその名の通り」
「吸血鬼は血こそが糧です」
「それで永遠の命を得ます」
「そうよ、だから私は血も好むけれど」
それだけでなくというのだ。
「このワインからもね」
「糧を得られますね」
「永遠の命のそれを」
「左様ですね」
「そして美貌もね」
それの糧もというのだ。
「得られるわ」
「左様ですね」
「だからこそですね」
「日々飲まれていますね」
「そうされていますね」
「そうよ、美女それに美少女の血も好きだけれど」
それと同じくかそれ以上にという言葉だった、カーミラは使い魔達が入れたそのワインを飲みつつ話していった。
「ワインも好きだから」
「それ故にですね」
「今も楽しく飲まれて」
「そして糧を得られていますね」
「この通りね、食事もいいけれど」
それに加えてというのだ。
「ワインもいいわ、特に赤がね」
「血の色のそのワインが」
「最もいいものですね」
「ご主人様にとっては」
「そうよ、白やロゼもいいけれど」
こうしたワイン以上にというのだ。
「赤よ」
「左様ですね」
「それではですね」
「もう一本飲まれますね」
「そうされますね」
「二本よ」
一本ではなくとだ、使い魔達に答えた。
「それだけ頂くわ、そしてね」
「美酒の後で、ですね」
「夜の散歩に出られ」
「そしてですね」
「今日のお風呂はシャンパンを入れてね」
そうした風呂にしてくれというのだ。
「いいわね」
「わかりました」
「ではです」
「そちらの用意をします」
使い魔達も応えた。
カーミラは使い魔達からワインをさらに貰いそのうえで夜の散歩に出た、彼女にとっては美貌の為に欠かせないそれに出たのだった。
第二百六十六話 完
2020・5・21
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