第七幕その二
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「楽しいのよ」
「王女さん旅もお好きですか」
「冒険も」
「お国におられる時もお好きで」
「そうなの、こうして林檎を摘むこともね」
こちらもというのです。
「大好きよ」
「それじゃあですね」
「林檎をですね」
「皆で摘んでいきますか」
「そうしましょう」
こう言って小さなフェアリー達と一緒に林檎を摘んでいきます、王女は片手で摘んでいきますがフェアリ―達は身体全体で摘み取ってです。
両手で抱き抱えて自分の身体の半分は優にある林檎達をお空を飛びつつ運んでいきます、その様子を見てです。
リンキティンク王はフェアリーの女王、ご自身も手伝おうとしましたがお誕生日でお祝いされる人が手伝ってはと六人に言われて止められている彼女に尋ねました。
「重くないかのう」
「林檎が、ですか」
「うむ、フェアリーの娘達にとっては」
「特にです」
これといってとです、女王はリンキティンク王に答えました。
「辛くないです」
「そうなのか」
「私達の羽根の力はとても強いので」
「羽根の力を使って運んでおるか」
「そうです、持つことが出来れば」
それでというのです。
「後はそれこそずっと飛んでいても疲れない羽根で」
「運ぶからか」
「苦しくありません」
「落としませんか?」
リンキティンク王の横にいる王子も女王に尋ねました。
「手が滑ったりして」
「いざとなったら私達の手はひっつきますので」
「そうした手ですか」
「昆虫は直角の止まるところのない壁にもずっと停まっていられますね」
「はい、足でひっついて」
「それと同じで」
それでというのです。
「ものを運ぶ時も」
「ひっついてですか」
「落とさないです」
「それは便利ですね」
「私達は虫の能力も多く持っていますので」
「ならじゃ」
リンキティンク王はそのお話を聞いて言いました。
「力も強いか、実は」
「あっ、おわかりですか」
「蟻もカブト虫も力が強いのう」
「そのことですね」
「それを見るとな」
「確かに身体は小さいですが」
それでもというのです。
「そうですね」
「力も強いのう」
「蟻やカブト虫の様に」
「そして蝶々やトンボの様にじゃな」
「ずっと飛ぶことも出来ます」
「凄い種族じゃのう」
リンキティンク王は女王からここまで聞いて言いました。
「フェアリーも」
「そうですね、可愛いだけじゃない」
「凄い力もある」
「そうした種族じゃな」
「本当にそうですね」
「そう思うとのう」
リンキティンク王は笑ってです、こうも言いました。
「歌いたくなったわ」
「そのフェアリーの人達のことを」
「今ここでな」
「ではです」
女王はリンキティンク王のそのお話を聞いて笑顔で応えました。
「お
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