【 結 】
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【人間は滅びを望んでいる。その望みをかなえるため、まもなく大いなる神が降臨する。神の降臨とともに人間は安らかな終焉を迎えるであろう。そして全ての人間は、生きる苦悩から解放されるのだ。
しかしそれに抗おうとする愚かな人間もいる。誤った道を示し、人間たちに生きる力を与えようとする者・・・それがお前達だ。お前達は障害なのだ。
そこで、我はお前たちを排除し、滅びを速やかに進めるために、この男の意思に介入した。】
「つまり、幾月を操っていたということか?」
美鶴が驚いたように言った。
【もともとはこの男の中にあった願望である。理性を抑え、その欲望を歪めて膨らませてやった。この男は歪んだ欲望に駆られて全てのアルカナのシャドウを集め、人類の終焉に向けた下準備を行った。そして最後にはお前たちの始末もするはずであったが、あいにく先にこの男の方が死んでしまった。我は、この男の心が消え去る前にその歪みをこの空間に固定し、お前たちを誘い込むことにしたのだ。人類の終焉を邪魔するお前達を消すために。】
「死んだ人間の心まで利用するのか。」真田が怒りをこめて叫ぶ。
【全ては人間を苦悩から解き放つため。これは救済である。
それが理解できない愚か者は、全て排除する。大いなる夜の神 ニュクスの意思だ。】
オイジュスからさらに強烈な圧が押し寄せてくる。全員が足を踏ん張り、顔を歪めてそれに耐える。
「ワガハイは?・・・ワガハイもその為に利用されたのか?・・・」
ゆかり に支えられて起き上がりながら、モルガナがうめくように言った。
【お前の役割は、こやつらをこの場所への連れてくる為の道案内。既に役割は終えた。消え去れ。】
「そんな・・・ワガハイは・・・ワガハイはいったい何者なんだ?」
モルガナが悲痛な叫び声を上げる。
【その答えは無い。お前の存在に意味など無い。】
「嘘だ・・・。」
苦し気にそう言うと、モルガナはがくりと膝をついて身を震わせた。
ゆかり が心配そうに、その体を抱きかかえた。
「結局、幾月の裏切りは、ニュクスとやらの下っ端であるこいつの仕業ということか。美鶴、お前の真の仇もこいつというわけだ。」
真田は美鶴の横に並んで立つと、彼女に語りかけた。
「このままでは済まされないな。」真田が召喚器を手にする。
全ては人間を滅ぼすために仕組まれたことだ。幾月もそのために利用されたに過ぎない。
筋道が立った気がした。美鶴の心の中で乱れていた思いが一つの決意に集束した。
そう、倒すべきは目の前にいる邪悪な神だ。
「そのようだな。けじめはつけさせてもらおう。」
美鶴もオイジュスに向き直ると、召喚器を引き抜いた。
「ペルソナ!」
美鶴と真田、二人の上げた声とともに戦闘が開始された。
カエサルとアルテミシアが同時に出現する。
『彼』も召喚器を握り
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