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ペルソナ3 ファタ・モルガーナの島(改定版)
【 転 】
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しばらく休息して気力と体力を回復させ、その後、再びモルガナの導きで先に進むことになった。
歩き出していくらもしないうちに、広い空間にあるひと際豪華な扉の前に出る。
この場所にも銅像が数体立っていた。
その一つに、みんなが注目する。
「これって、校長先生ですよね。」ゆかり が言った。
「プレートにもそう書いてあるな。」真田が確認して答える。
ここまでくると、慣れてきてそれほど驚きがない。
いつも精一杯 教育者らしく胸を張ろうと、傍から見ても涙ぐましい努力をしている校長の像は、打ちひしがれたように肩を落とし虚ろな表情を浮かべている。
「ここに像がある人って、このパレスの主と直接関係ある人達なんでしょうか。」
『彼』が美鶴に語りかけた。
「私もそれが気になっていた。まったく無関係な人間と考える方が不自然だ。しかし『我々の協力者である警察官』『桐条の屋敷のメイド』『月光館学園の校長』。全てに関係する人物などそう多くはないだろうな。」
どうしても、ある人物の顔が浮かんでくる。絶対にあり得ない人物の顔が・・・。
「まあいい。目的地はすぐ目の前だ。ここで考えていないで先に進もう。」
美鶴が決着を付けるためにドアに向かおうとすると
「待てよ。真正面から入るつもりか? これだから素人は・・・。」とモルガナが声をかけてきた。
全員が彼に目を向けると、モルガナがすぐ横の通路の陰にある目立たないドアに向かう。
中に入るとそこは物置部屋らしく、掃除道具などの雑多なものが棚にぎっしり並んでいる。
モルガナは鋭い目つきで見回し、部屋の片隅に置かれた大きな額に入った絵を横にずらした。
そこには腰高くらいの小さな隠し扉があった。
「扉の位置からみて、目的の部屋に通じてるはずだ。」
モルガナはまたニヤリと笑って見せた。
「よくこういうものを見つけられるな。」
真田があきれたように返す。
「まあ、この手のパレスには抜け穴や隠し扉がつきものなんだ。ワガハイくらいになると、カンが働くのさ。」
モルガナは得意気に言うと、慎重に扉を開けて潜り込む。
「いいぞ。ついてこい」
彼の合図で、全員が順に扉を潜り抜けた。

そこは大きなホールの物陰だった。全員、そこに身を潜めながら慎重に中の様子を伺う。
広く天井が高い。2階分ほどの高さだろうか。豪華なシャンデリアがいくつも下がっている。壁沿いには大きな銅像が間隔をあけて立ち並んでいる。それはキリストのように十字架にかけられた人の像だった。
「なんで、十字架が並んでるんだろ。教会なの?」
声を抑えて ゆかり が囁く。
「いや、あれはキリストなんかじゃない。」
『彼』に言われて、近くにある十字架をよく見てみると、その十字架にかけられている人物はスカートを穿いている。それは月光館学園の制服だった。

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