【 承 】
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モルガナの後について森を抜けると、そこに異様な形の・・・宮殿といってもいい建物が現れた。「異様な形」というのは、まるでさまざまなパーツを適当に組み合わせたかのような「いびつさ」によるもので、その形を何かに例えるとしたら、何よりタルタロスの外観に似ているとも言えた。
高い塀に囲まれていて、仰々しい正面の門にはかがり火がたかれている。
全員が茫然としてその異様な建物を見つめた。
「まさに歪んだパレスだ。非現実感がすごいな。」美鶴が呆れたような声を洩らした。
「それで、どうする? 探ると言っても何をどう探ったらいいんだ?」真田が問いかけた。
「それはだな・・・」モルガナが答えようとしたところで
「あ・・・あれ? あの門のところに立っているの、アイギスじゃない?」と、ゆかり が指さした。
正面門の脇、守衛のように立つ姿は、確かにアイギスの特徴的な姿をしている。
「確かにそうだ。・・・しかし何かおかしいな。」美鶴が首を傾げた。
その姿にはどこか違和感がある。そもそもこんな場所にアイギスがいるはずがない。
「行ってみるか。」真田はそう言って身を潜めながら歩みを進めた。
木立の中を近づいて、適度な距離まで来たところで真田が木陰から手を振ってアイギスに合図してみる。
それに気づいたのか、アイギスはいきなり一直線にこちらに向かって突進してきた。
両手を後方に広げた独特の走り方はまさしくアイギスだ。しかし、接近してくるとその顔には、シャドウのごとき仮面をつけているのが見えた。
「危ないぞ。そいつはお前らが知っているヤツじゃねえ。」モルガナが警告を発する。
身の危険を感じた真田は、高速で突っ込んできたアイギスからかろうじて身をかわした。
かわされたアイギスが急停止し、反転した瞬間、モルガナが飛びかかってその首にしがみつく。そして「正体を見せろ」と叫んで顔から仮面を引きはがした。
途端にアイギスの姿が崩れ、異形の怪物に変貌する。
「やはりシャドウか!」
真田はすかさず召喚器を頭部に向けた。
「カエサル!」
呼び出されたペルソナが、シャドウに向けてジオダインを放つ。
電光が激しく瞬き、シャドウはその強烈な一撃で、黒い塵となって消し飛んだ。
跡形もなく消え去った後、シャドウのいた場所を皆が厳しい表情で見つめた。
「なんだその力は!」
真田を見て、モルガナは驚きの声を上げる。
「この力はペルソナと呼ばれている。俺の心の力が形となった、言わば俺の分身だ。」
「ペルソナか・・・すげえ力だな。・・・ひょっとして、お前らみんなできるのか。」
モルガナが見回すと、全員がうなずく。
「これは心強い。ワガハイ、ついてるぜ。」
モルガナが満足そうにニヤリと笑った。
「しかしこのシャドウ、なぜアイギスの姿をしていたんだろう?」
美鶴が不思議そ
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