第3章(原作3巻) 可能性の道標(アウトレンジ)
第23弾 闇夜の誘い(クロス・レンジ)
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「……何か知ってるのか?」
俺の問いかけに頷くジャンヌ。
「あのオオカミはブラドの下僕と見るのが妥当だ」
「なんだと……!」
「奴らは世界各地にいて、命令無しに直感頼りの遊撃ができる」
「めちゃくちゃ優秀じゃねぇか、オイ」
「誰かさんとは大違いだね」
「なんで俺を見ながら言う」
俺を皆がそんなことを告げる由宇と、それに反論する俺。
確かに指示待ち人間な自信はあるけどさ……これでも昔よりマシにはなってるんだぜ……?
「……とまあ、情報がもらえただけでも有意義だ。ジャンヌ、ありがとな」
思考を遮った俺は、ジャンヌに礼を言い部屋を去ろうとした。
すると、ジャンヌに呼び止められる。
「ああ、それともう1つ」
「……なんだ?」
「お前にだけ伝えるが???『リーパー』が入国した」
「……ッ?!」
リーパー……だと……ッ!
「あいつが……か?」
「そうだ」
「……ありがとよ、ジャンヌ。お陰で次の目的が見つかったよ」
それだけ言い残して、今度こそ部屋を後にする。
そして、第3男子寮に帰寮する。
「ただいま……」
玄関の扉を閉めながらそう言葉を飛ばすが、中から返事はない。
……ああ、そっか。
凛音と歳那は、実家に呼ばれて戻ったんだった。
マキは……今日は遅くなるとか言ってたか。
「久々1人か……」
そんなことをボヤきながら自室に入っていく俺。
そして、クローゼットからケースを取り出して開き、中にあるパーツを組み上げていく。
「メンテは欠かさずにやってるから……いけるよな」
組み上がった武器???M110Aを見ながら呟く。
この前1発だけ撃ったが……狙撃手のブランクは長い。
「今は……やれることをやるだけ……だな」
自身にそう言い聞かせた俺は、来るべき時刻に向け準備を進め18時半頃、寮を出た。
M110を担いだ俺は人目の付かないところを通りながら狙撃科棟へと向かう。
そして、約束の時刻である19時ジャストに狙撃科棟屋上に到着する。
するとそこには、レキの他に大型の白狼……先日の襲撃犯とみられるコーカサスハクギンオオカミと担任である蘭豹、そして狙撃科の担当教師である南郷がいた。
「樋熊、少し遅いで」
「すいません。それより、これはどういうことなんですか?」
「なんや、何も聞いとらんのか……と、その前に」
何かを言いかけたところで白狼が唸り声を上げ、それに反応した蘭豹は俺の背後へと視線を向ける。
同様に南郷もそちらへと視線を向けていた。
それに続くようにして、俺もそちらを向く。
「誰や、そこにいるのは。大人しく出てきたら懲罰は不問にした
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