第3章(原作3巻) 可能性の道標(アウトレンジ)
第23弾 闇夜の誘い(クロス・レンジ)
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した夜景であった。
「綺麗……」
「ああ……」
互いに窓の向こう側に広がる景色に目を奪われたまま、言葉を交わす。
そんな人間の営みによって生まれた景色は平和の証でもあることを、俺に教えてくれる。
「……守らないとな」
「シュウ君?」
「こうしてある景色を守るためにも……『平和』ってものを守らないとな、と思ってね」
「そうだね。それが、私達の仕事だもんね」
「ああ……」
画して新たな覚悟を刻んだ俺……いや、俺達はランドマークタワーを後にし、帰寮するのであった。
因みに完全な余談となるのだが、翌日は武偵高では中間テストと体力テストが行われ、その際俺は範囲の勉強をしていなかったために考査の方は歴代最低点数を叩き出すこととなってしまうのだが、それはまた別のお話???
横浜へ行った数日後、教室に居る俺はノートPCと睨めっこしていた。
本日より2日前に起こった保健室を『コーカサスハクギンオオカミ』が襲撃してきた事件の調査をしていたからだ。しかし……何もわからん。
「コーカサスハクギンオオカミの生態系を調べたところで分かることもなし……投げたくなってきた」
PCを閉じながらボヤく俺。
とりあえずあいつのところにでも行ってみるかな……。
そんなことを考えていると、俺の元にレキがやってくる。
「……どうかしたのか?」
「今日の1900に狙撃科棟の屋上に来てください???ライフル持参で」
なるほど……先日の宣言を実行する気か。
「……了解だ」
頷いた俺は、そのままレキの横を通り過ぎ教室を後にする。
そしてそのまま、情報科棟へと赴く。
「由宇、いるか?」
一室の扉を開き覗き込む俺。
すると、それに呼応するかのように由宇が振り向く。
「あ、来た」
「待たせた……って、こっちは誰?」
首を傾げる俺は自身の視線の先???即ち由宇の傍らに立つ銀髪色白の少女について問いかける。
どっかで見た様な……。
「パリ武偵高から来たジャンヌだよ」
「ジャンヌ……ああ、思い出した。『魔剣」か。尋問科で綴に虐められてた」
俺の言葉を聞いたジャンヌは、苦虫を噛み潰したような顔をした後、咳払いを1つする。
「……ということだ。表向きは、な」
「司法取引ね……というか、由宇もわざとああやって紹介したよね?」
「あ、バレた?」
「バレバレだよ……っと、なんでジャンヌはここに?」
うむ、と言ったジャンヌはこう答える。
「彼女が先日現れたコーカサスハクギンオオカミの事について追っていると聞いてな」
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