第3章(原作3巻) 可能性の道標(アウトレンジ)
第23弾 闇夜の誘い(クロス・レンジ)
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「どう、終わった???」
なんてことを考えていると、突然部屋の扉が開かれ凛音が姿を現す。
……ていうかこのタイミング最悪じゃね……?
案の定、プルプルと震え始めた凛音は、何処からともなく取り出した刀を抜刀する。
「こっちは待ってるのに……何やってるの!」
「待て! これは???」
「問答無用!」
その台詞と共に突き出される刃の切っ尖。
慌てた俺は、マキをベッドの方は軽く投げて避難させた後、椅子ごとバランスを崩し後方に倒れることによって攻撃を退ける。
だが、安堵したのも束の間。直ぐに刃が真下に向かって振り下ろされる。
「ヤバッ……!」
急いで俺は首元の緩めていたTNK繊維製のネクタイを外すと、両手で張り刃を受け止める。
あ、危ねぇ……。
「凛音、一旦話を聞いてくれ……」
刃を押し返しながらそう言葉をかけてみるが、応答は無い。
「???凛音、シュウ君は悪くないよ」
そんな中で打開策を考えていると、マキが凛音に言葉をかける。
「え、でも……」
「今のは私からした事だから、シュウ君を責めないで……」
にそ、そう……マキがそう言うなら……」
マキにそう返した凛音は、刀を鞘に収める。
……なんでマキの言葉には耳を貸すんですかね?
「日頃の行いが悪いからでしょ?」
「やっぱり酷いよね?」
半泣きで反論した俺は立ち上がる。
「夕飯半分にしてやる……」
「え、それだけはやめて?!」
大人気ない俺と、その一言が衝撃だった凛音。
まあ、もう慣れてるかな……この日常に。
そう思った俺は、台所へと向かうのだった???
翌日、横浜駅に降り立った俺。
昨晩理子にメールしたところ、今日紅鳴館に潜入してほしいと言われたためこうして横浜へと足を運んでいた。
「完全に寝不足だ……」
重い目蓋を擦りながらボヤく俺。
完璧な余談だが、結局昨晩はマキさんの有言実行によりマキさんと同じ布団で寝ました。はい。
お陰で一睡もできなくてご覧の有り様。
対するマキさんは熟睡してたね。
「さてと……サクッと終わらせますか」
俺は駅を出てまっすぐと目的の場所である紅鳴館を目指す。
そして駅を出て数十分後、紅鳴館に辿り着く。
「と、遠い……」
荒くなった息を整えながら、館の視察をする。
……なんか、不気味なんだけど。
とりあえずどっからか侵入できないか調べてみますかね……。
ぐるっと敷地の外から屋敷を一周してみると……なんでか床下にダクトがついてる箇所を発見。
俺は塀を飛び越えるとそのダクトの蓋を外す。
「……いけるな」
呟いた
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