第3章(原作3巻) 可能性の道標(アウトレンジ)
第23弾 闇夜の誘い(クロス・レンジ)
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後から首元に腕が回される。
「……マキ?」
「隠さないで……教えてよ……またあの時みたいなことになったら私……」
涙ぐんだ声でそう告げてくるマキ。
「マキ……ごめんよ……」
そう返した俺は、自身の左肩に乗せられたマキの頭をそっと撫でながらこう続ける。
「でも、このことを話したらマキは俺に対して幻滅すると思う……というかある意味では自分の身が危うくなるから言いたくないんだけど……」
「言って」
「何もしない……?」
「うん」
「さっき倒れて起き上がろうとした時その……3人の下着が見えました……ッ!?」
そこまで言い切ったところで、首に回されていたマキの腕に力が込められる。
あ……待って絞まる……死んじゃう……ッ!
慌てた俺はマキの腕を軽く連打しギブアップの意思を示す。
それに応じるかの様に、マキは腕を緩める。
「ゲホッ……ゲホッ……」
噎せながら息を整える俺。
そんな俺に、マキはこう言う。
「私の涙を返して」
「マジでゴメン……でも、だからって殺そうとしないで……いや、ホントごめんなさい」
謝罪とともに反論するアレだが、既に抜き出されていたグロックを向けられたため、再度謝罪する。
「言い訳だけすると完全に不可抗力なんです……」
「本当に……?」
「本当だって……」
俺の言葉を聞いたマキは、数瞬の後グロックを下ろす。
「分かった。そういう事にしておくよ」
そう言ってホルスターにグロックを仕舞うマキ。
「よく考えると、シュウ君にそんなことする度胸ないもんね」
……ん?
なんかさり気無くディスられてない?
確かに正論だろうけどさ……まあ、理由はともあれ疑いが晴れたのは良かったとするか……。
「ねぇシュウ君」
そんなことを考えていると、再度ベッドに腰をかけたマキが声をかけてくる。
「何?」
「この前さ、やりたいことがないかって聞いてきたじゃん?」
……そういや武偵病院でそんなこと言ったような。
「それがどうかしたか?」
「もう1つ追加したいんだけど」
「構わんが……なんだ?」
「今日……一緒に寝たい」
……はい?
一緒に寝たい?
「えーっと……どういう意味ですかね」
「そのままの意味だよ……」
頬を赤く染めながらそう答えるマキ。
「同じ布団で……?」
「うん……」
マキさん……本気ですか……。
「できればご丁寧にお断りしたいのだけれど……」
「もし寝てくれるなら、さっきのこと黙っててあげるから……」
俺に抱きつき耳元で囁くマキ。
というか最近、マキとのスキンシップが多いような……。
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