第3章(原作3巻) 可能性の道標(アウトレンジ)
第23弾 闇夜の誘い(クロス・レンジ)
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「理子と一緒に泥棒しよ!」
……は?
泥棒ですか?
「……泥棒?」
「うん! 泥棒」
「よし、計画犯としてしょっぴくか」
そう言って俺はブレザー内のホルスターに手を掛ける。
だが、俺を見据える理子の瞳は冷静なままであった。
なんでそんなに余裕なんだ……まさか?
「お前……司法取引してきたんだな」
俺の頭を過った1つの理由。司法取引だ。
「正解! 流石シュー君!」
そう言って嬉しそうにピョンピョンと跳ねる理子。
お前はいつからウサギになったんだ。
「さいですか。んで、下手したら死刑になりそうなことを頼むってことは???何があるんだ?」
俺の言葉に驚いた表情の理子。
そしてやや俯き口を開く。
「……そこまで見抜いてたんだね」
「伊達に探偵科Sランクはやってない」
俺の返答を聞いた理子は顔を上げて訳を話し始める。
「イ・ウーNo.2???」
「無限罪のブラドか……」
「うん……そのブラドに……御母様の形見を盗られちゃったの……」
なるほど……。
「それで俺にそいつを取り返す手伝いをしろ、と」
「当ったりー! それで、乗ってくれるの?」
普通に考えて武偵は犯罪に加担するなんてあり得ないだろう。
だがしかし、俺は困ってる人の味方だ。
「良いだろう。その計画乗ってやる」
と言うわけなので、俺は即座に首を縦に振る。
「聞いといてなんだけど、本当に良いの?」
「良いよ? 武偵法が怖くて武偵やってられるかよ」
最近の俺はどうもどこか吹っ切れてる部分があるらしく、こんなことを平然と言う。
でもな、ハッキリ言うと死刑にはなりたくないです。
え、だってまだ死にたくないもん。
「そっか……じゃあ、また連絡するねー!」
「おう」
頷いた俺は、踵を返し第3男子寮へと進んでいくのだった???
寮の自室に帰った俺は、リビングに正座させられていた。
「???で、理子ちゃんと何話してたの?」
「いや、ほんと、他愛もない世間話を」
「それであんな真剣な顔しますか?」
俺の言葉にド正論をかまして来るのは歳那。
「……えーっと、歳那さん」
「はい?」
「屋上から俺のこと監視してたのかな?」
「はい」
首を縦に振りながら答える歳那。
はい、じゃないですよちょっと。
「そこは素直に肯いたらダメだと思うよ。うん」
「それで、何話してたの?」
「いや、だから……」
「正直に」
ずいっ、と顔を寄せてくるマキ。
対する俺は大きな溜息を1つ吐き答える。
「仕事の話。次の依頼組んでくれって言われたんだ」
「ふ
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