ちいさなしまのおはなし
生真面目くんの憂鬱
[2/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
よ?って睨みを利かせる羽目になった。
「大輔くん、朝は大丈夫だった?」
とっくに支度を済ませていた女子と合流して、テントを光子郎のパソコンにしまい、子ども達はもんざえモンに礼を言って再び旅立った。
もんざえモンの暴走を食い止めた子ども達は、是非にともんざえモンに押し切られておもちゃの町で一夜を明かすこととなった。
夜になるまでちょっとだけ時間があったから、遊ぶことにした子ども達は、久しぶりに心の底から笑顔になった。
それからもんざえモンが用意してくれた食事を口にして(果物がそのまま出されたが、ないよりはマシである)、シャワーを浴びて、遊び疲れた身体は一瞬で眠りについた。
そして男の子たちは、大輔の悲鳴で起こされることとなる。
「全然大丈夫じゃねーよぉ。頭ぶつけるし、太一さん達にどやされるし、変な夢見るしでもう最悪だ!Nasty!」
おもちゃの町を旅立って、数時間。
頬を膨らませて、いかにも不機嫌ですという体を隠さない大輔に、ヒカリはくすくすと苦笑した。
「夢ってどんな夢?」
「んー……何か暗いところにいてさぁ、明かりとか全然なくて、ここ何処だろーってぼーってしてたらいきなり光が浮かんで……そこに誰かいたんだよ」
『誰かって?』
ブイモンが問うが、大輔は納得いかないと言った様子で首を振る。
「分かんね。そこで目が覚めちまったから」
「……男の人?女の人?」
「それも分かんねー。分かったのは誰かがいたってことだけなんだよなー」
すると、大輔の話を聞いて一瞬考えこんだ賢が、辺りを慎重に伺いながら小声で同い年の友達とそのパートナー達に告げる。
「……あのね、僕も夢を見たんだ」
『え?ケンも?』
「うん……大輔くんと、同じ夢」
「え?」
思っていたより大きな声が出てしまい、前を歩いていたミミとパルモンがどうしたの?って振り返る。
何でもないです、って3人と3体で慌てて頭(かぶり)を振って誤魔化す。
「そう?何かあったらちゃんと言うのよ?」
『ブイモン達も、ちゃんとダイスケ達のこと見てるのよ?』
『分かってるよー』
どうも昨日の出来事から、ミミとパルモンは大輔達最年少に対してお姉さんぶりたがっているような感じがする。
1番後ろを歩いている最年少達をちらちらと気にしては、少しでも異変があると先ほどのようになぁにって声をかけてくれる。
気にかけてくれるのは嬉しいのだが、どうにもむず痒かった。
地下水道を歩いていた時は、どちらかと言えば最年少達寄りの言動をしていたのに。
まあ、それはともかく。
「……俺と同じ夢って……真っ暗なところにいて、光の中に誰かがいたのか?」
「うん……僕もそこで目が覚めたんだ。多分、大輔くんがベッドから落ちたのと同じタイミングで」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ