第百六十五話 視察その八
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「そうだな」
「はい、塩や砂糖、酢と並び」
「その二つは欠かせません」
「もう醤油と味噌がないと」
「味付けは考えられません」
「そこまでのものだからだ」
それ故にというのだ。
「豆から作られるのならな」
「それならばですね」
「どんどん作らせますね」
「豆自体も」
「そうしますね」
「豆自体も美味く食えてな」
そしてというのだ。
「豆腐や納豆になるからな」
「近頃は豆乳も作らせていますね」
「そちらのものも」
「そしてそれがですね」
「随分と美味いですな」
「そうだ、ただ美味いだけでなく身体にもいいしな」
豆そしてそこから作るものはというのだ。
「民の身体も調子がいいに限る」
「全くです」
「そうであれば存分に働いてくれます」
「だから豆やそこから作るものはですか」
「食ってもらいますか」
「そうしてもらう、俺もだ」
英雄自身もというのだ。
「豆自体も豆腐も醤油や味噌もな」
「お好きですね」
「上様もよく召し上がられていますね」
「あぜ豆も豆腐も湯葉も」
「そして納豆も」
「どれも好きだ、今宵は豆腐を食う」
こちらをというのだ。
「湯豆腐をな」
「そうされますね」
「そのことも考えるとですね」
「豆も多く作らせる」
「そうしていきますか」
「これからもな」
こう言って実際にだった、英雄は豆のことも含めたあらゆる政を進めて国を豊かにさせていった。そうして。
その夜湯豆腐を十二人の仲間達と共に食べた、そうして。
酒を飲みそのうえで言った。
「やはり豆腐はいい」
「湯豆腐もですね」
「これで食ってもな」
良太に対して話した。
「実にだ」
「そうですね、簡単な料理ですが」
「昆布でダシを取って食うな」
「ごく簡単なものですが」
「しかしだ」
鍋の中からその豆腐、充分に煮られたそれを食べながら言った。
「それがだ」
「非常にいいですね」
「美味くてな」
それでというのだ。
「こうして食うとな」
「多く食べてしまいますね」
「止まらない位だ」
「はい、私にしましても」
良太もその豆腐を食いつつ言う。
「一旦食べだしますと」
「止まらないな」
「もうです」
それこそというのだ。
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