暁 〜小説投稿サイト〜
レーヴァティン
第百六十五話 視察その七

[8]前話 [2]次話
「近頃金魚を売っているが」
「大和等で育てられてです」
「売られていますな」
「そうしていますな」
「いいことだ、それでだ」
 英雄は金魚のことから幕臣達に話した。
「火事に備えての溜め池や飲む為等の井戸には金魚でなくとも魚を飼う様にしておくことだ」
「魚ですか」
「それを飼うのですか」
「溜め池や井戸では」
「そうすることだ」
 それは何故かもだ、英雄は話した。金魚のことから話すことはそれは金魚に限らずとも政に関わるものだった。
「そこにいる蚊達を食わせる」
「そういうことですか」
「では田にもですか」
「そちらにもですか」
「魚を飼う様にしますか」
「そうすることだ、田には泥鰌がいいな」
 この魚だというのだ。
「あの魚は稲を刈った後で食えるな」
「はい、確かに」
「それではですな」
「田には泥鰌を飼う」
「そして蚊を食わせ」
「刈った後は食う様にしますか」
「他の虫達は鴨に食わせればいい、畑の方もな」
 田だけでなくそちらもというのだ。
「そうした鳥に食わせそしてだ」
「それにですね」
「その鴨達も食う」
「稲を刈り畑の作物を採った後で」
「そうしますか」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「泥鰌にしても鴨にしてもその時で食うだけでなくな」
「干すなり燻製にしてですか」
「後で食うこともですか」
「それもしますか」
「そうだ、そうすれば後々まで食えるからな」
 だからだというのだ。
「いいな」
「はい、それでは」
「それからもですか」
「そうしてですか」
「糧にしますか」
「そうするのだ」
 こう言うのだった。
「あと田のタニシ達もな」
「食うことですね」
「保存を効く様にもして」
「そうしてですね」
「そうだ、それとだ」
 さらに言うのだった。
「あぜ道には豆も植えているがこれも増やしていくことだ」
「あぜ豆ですね」
「あの豆もですね」
「それも増やしていき」
「民の糧とするのですね」
「豆はそこから醤油も味噌も造ることが出来」
 そしてというのだ。
「豆腐等も造られるし納豆にも出来る」
「だからですね」
「それ故にですね」
「我々としては」
「その様にしますね」
「そうだ」
 植えさせるというのだ。
「多くな、そして食わせて売らせてな」
「豊かになる為に使う」
「そうするのですね」
「豆にしても」
「それは同じですね」
「この浮島の料理に醤油と味噌は必要だ」
 この二つはというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ