暁 〜小説投稿サイト〜
オズのケーキ
第六幕その三

[8]前話 [2]次話
「生まれた時から今までしているから」
「随分長い間ですね」
「オズの国が出来てから」
「オズの国が出来てからかなり経ちますけれど」
「その間ずっと家事をされていて」
「それで、ですか」
「皆が言う様に出来ていると思うわ、私もオズの国が出来て暫くしてから生まれて」
 ケーキの生まれはその時からでした。
「物心ついた時から家事をしていて」
「今もですね」
「家事をされていますね」
「それも毎日」
「そうしたらですか」
「そこまで出来る様になりますか」
「そうなのよ、私は凄くないの」
 ケーキはこのことはきっぱりと断りました。
「全然ね」
「充分凄いと思うけれど」
 王女もこう言いました。
「本当に」
「そうですか?」
「ええ、確かに年季とか経験を感じるけれど」 
 それでもというのです。
「貴女には元々才能があったのよ」
「家事の才能が」
「何かとね。お掃除もお洗濯もお料理もお裁縫も」
 そうしたもの全てがというのです。
「才能があって」
「それで、ですか」
「それに加えてね」
 さらにというのです。
「毎日しているから」
「よくなっていますか」
「そうよ、私も家事はしているけれど」
「王女様も」
「だって私の国小さいから」
 王女はケーキに笑ってお話しました。
「国といっても小さな村でしょ」
「だからですか」
「そう、王室も侍女さんとか侍従さんとかいないから」
 そうした人達はというのです。
「家族皆で家事をしているのよ」
「王様も王妃様も」
「お姉様も私もね」
「だから王女様もですか」
「毎日家事をしているの」
「そうですか」
「けれどそれでもね」
 その王女もというのです。
「貴女には負けるわ」
「そうですか」
「貴女は生粋の人ね」
 そうした家事をする人だというのです。
「本当に」
「そうですか」
「だから」
 ケーキにさらに言うのでした。
「今回は貴女がここに来て」
「皆さんを助けていますか」
「大いにね、だから頑張っていきましょう」
「皆で、ですね」
「貴女を中心にね」
「では今からケーキ嬢を讃える歌を作って歌おうぞ」
 そしてとです、リンキティンク王も言いました。
「働いている皆の歌もな」
「そうしてくれますか」
「わしの今の仕事はこれじゃ」 
 歌を作って歌うことだというのです。
「そして踊りもな」
「踊られますか」
「そうしてじゃ」
 王子に応えてさらに言いました。
「皆を楽しませるぞ」
「では宜しくお願いします」
「ほっほっほ、歌って踊られて」
 さらにというのでした。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ