第43話 =告白=
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
思うけど……やっぱり選べない…」
「……そっか」
少し残念がるサチ。そのまま話の終わりかと思ったのか座っていた椅子から立ち上がろうとするところを「まだ言わせてくれ」とギリギリのとことで引き止める。
ここからは俺の希望だ。それが受け入れられなくてもいい…
「でも俺は…誰か1人でも欠けたら嫌なんだ…皆とさ…ずっと一緒にいたい…一緒に戦ったり、ご飯食べたり…他にもいろいろ…だから俺と…その…」
あと少しのところで言葉が出てこない自分の言葉の引き出しの無さに本当に絶望だよ、これ…。悪あがきで頭をかきながらずっ
と「あー」とか「うー」とかうなっていると誰かがくつくつと笑うのが聞こえ、その方向を見るとその笑っていた人物はユカで
それを始まりに皆が小さく笑い出した。
「大事な言葉が出ないのは相変わらずね、本当に」
「…う、うるさいなー」
「でも、あのリクヤさんから告白じみた台詞を聞けるなんて」
シリカにつっこまれてしっかりと覚えている会話の内容を思い出してしまい、熱湯でもかかったかのように俺の顔は一気に熱く
なってしまう。…いま考えればただ、1人じゃなくて皆になっただけでこれって告白じゃないか?…
「…わかったわよ…あたし…ううん、あたしたちでよかったらずっと一緒にいてやるわよ」
リズのそこにいた全員を代表したような言葉に一瞬で俺の持っていた不安はどこかへ行ってしまった。
「…ありがとな」
「でも…ようやくリクヤのそういう言葉が聞けた気がする」
「まぁ、わかってたけどね。リクヤが誰も選べないっていうことくらいは」
「え?…なんで」
まさかのわかってた発言をしたユカに聞くと「リクヤ(さん)鈍いもん」とユカ以外の全員に口をそろえて言われてしまった。俺って鈍いんじゃなくて恋を知らなかっただけじゃないかって反論しそうになったけどまた何か言い返されそうなのでやめといたほうがいいだろう。
でも、これでみんながバラバラになるなんて最悪の事態は無くなったし、俺の気持ちも伝えられた。あとはこの気持ちに嘘をつ
かないように頑張ってサチ、ユカ、リズ、シリカの4人はもちろん、自分自身も守らないと…な。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ