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非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第86話『スタンプラリー』
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い場所にあるとはいえ、山の中でそれを見つけるには多少の時間を要する。


「なら走って探す?」

「断る」

「暁君ならそう言うと思ってたよ」


それならばと、短絡的な考えを晴登が冗談混じりに言うと、もちろん伸太郎に拒絶された。正直晴登自身も嫌である。山の中を駆け回るのはもう懲り懲りなのだ。翌日、脚が筋肉痛になって大変だったし。


「別に全部集める必要はないんじゃない? この感じだと、どの班もコンプは無理だろうし」

「できる限り集めるしかないようです」

「やるしかない、だね!」


女子3人が口々に言った。その通りだ。一にも二にも、晴登たちができることはスタンプを集めることだけ。実際に100個集めるのが無理だろうと、目標100個を変える訳にはいかない。


「よし、とりあえず次のスタンプを探さなきゃ──」

「ねぇ、あれ見て!」


晴登が言いかけた途端、狐太郎が声を上げた。つられて彼の指差す方向を見てみると、確かにそこには赤いスタンプ台がある。


「いや待て、何の冗談だ」

「やっぱりそういうことしてくるんだな…」


伸太郎と晴登だけじゃなく、この場の全員がその光景を見て嘆息する。

──なぜならそのスタンプ台は、高く聳える断崖の中央に位置していたからだ。

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