第86話『スタンプラリー』
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
い場所にあるとはいえ、山の中でそれを見つけるには多少の時間を要する。
「なら走って探す?」
「断る」
「暁君ならそう言うと思ってたよ」
それならばと、短絡的な考えを晴登が冗談混じりに言うと、もちろん伸太郎に拒絶された。正直晴登自身も嫌である。山の中を駆け回るのはもう懲り懲りなのだ。翌日、脚が筋肉痛になって大変だったし。
「別に全部集める必要はないんじゃない? この感じだと、どの班もコンプは無理だろうし」
「できる限り集めるしかないようです」
「やるしかない、だね!」
女子3人が口々に言った。その通りだ。一にも二にも、晴登たちができることはスタンプを集めることだけ。実際に100個集めるのが無理だろうと、目標100個を変える訳にはいかない。
「よし、とりあえず次のスタンプを探さなきゃ──」
「ねぇ、あれ見て!」
晴登が言いかけた途端、狐太郎が声を上げた。つられて彼の指差す方向を見てみると、確かにそこには赤いスタンプ台がある。
「いや待て、何の冗談だ」
「やっぱりそういうことしてくるんだな…」
伸太郎と晴登だけじゃなく、この場の全員がその光景を見て嘆息する。
──なぜならそのスタンプ台は、高く聳える断崖の中央に位置していたからだ。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ