第86話『スタンプラリー』
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はこの場所から動いた方が良さそうだ。
「それじゃあ大地が戻り次第、出発しようか」
「「了解!」」
*
「・・・あった」
「・・・あったな」
大地が用紙を貰って来て、いざスタート場所を探そうと山に入って早5分。今晴登たちの目の前には、地面から膝くらいまでの高さの赤い直方体が鎮座している。そしてその上にはスタンプが置かれていた。
「別に隠されてなかったな」
「だね。普通に見つかっちゃった」
伸太郎と狐太郎が言った。確かに、この赤いスタンプ台は木の下に堂々と置かれている。まして道沿いだ。見逃す方がありえない。
「他のチームはいないし、ここからスタートでいいかな」
「「「了解!」」」
皆の返事が重なり、結束力を感じた晴登は口角を上げる。何だろう、今すごくリーダーっぽいぞ。ちょっと嬉しい。
「それで、この後はどう進みますか?」
「あ、それは考えてなかった…」
「普通に山登ればいいんじゃないの?」
「それもそうか」
優越感に浸っていた晴登に、早速優菜からの質問が飛ぶが、とりあえず結月の言う通り山を登ることにする。スタンプを集めつつ、山登りもできて一石二鳥という訳だ。勝負も大事だが、せっかくなら楽しんでやりたい。
「お、そろそろ始まるぞ」
大地が腕時計を見ながら言った。いよいよ始まるのか。楽しみだ。
「5、4、3、2、1、0──」
大地のカウントが0になると同時に、森中にブザー音が鳴り響いた。なるほど、こうやって知らせるのか。でもこれで気兼ねなくスタートできる。
「よし、まず1個目のスタンプ確保!」
「14って書いてるな。全部に番号が付いてる感じか」
「なるほど。なら14番の欄に押さないとな」
晴登は手始めに、目の前のスタンプを用紙の14番の欄に押す。スタンプの模様は味気ないただの赤い丸で、特に意味は無さそうだ。
それにしても、用紙に100個の欄があるのは実に圧巻である。これは本当に途方もない。
「それじゃ、登って行こうか。目標100個だ!」
「「「おー!」」」
しかしそれでも100個を目指してしまうのは、やっぱり男子の性というものだろう。
晴登一行はスタンプラリー兼ハイキングを開始したのだった。
*
開始してから1時間が経った。思いの外スタンプは容易に見つかり、今のところそこまで苦労はしていない。ただ・・・
「1時間で集まったスタンプは10個・・・なるほど、こりゃ100個集めるのは厳しそうだ」
大地の言う通り、このペースだと8時間でスタンプを100個集めるのは難しい。いくら見つけやす
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