第二百六十五話
[8]前話 [2]次話
第二百六十五話 吸血鬼の美貌
カーミラはこの時紅の美酒を飲んでいた、そうしつつ自分の周りにいる使い魔達に妖艶な微笑みを浮かべ言った。
「女性の望みは何か」
「美貌ですね」
「それも永遠の」
「それですね」
「そうよ、まさにね」
それだというのだ。
「それこそがね」
「女性の望みであり」
「ご主人様もですね」
「それは同じですね」
「私は吸血鬼、それ故に」
カーミラは妖艶な微笑みのままさらに言った。
「不老不死。それだけでね」
「美貌が約束されていますね」
「永遠のそれが」
「左様ですね」
「そうよ、けれどね」
それでもと言うのだった。
「美貌は宝石と同じよ」
「磨けば磨く程ですね」
「より美しくなりますね」
「左様ですね」
「そう、だからね」
それ故にというのだ。
「私は己の美貌を磨き続けているわ」
「左様ですね」
「整った食事を摂られ」
「適度な運動もされて」
「そして入浴も楽しまれ」
「睡眠も忘れず」
「お肌や髪の毛の手入れもされていますね」
使い魔達はカーミラの美貌の磨き方についても話した。
「その辺りは人間と同じですね」
「吸血鬼にしても」
「左様ですね」
「吸血鬼は老いないけれど磨くことは出来るわ」
より高めることは可能だというのだ。
「だからね」
「それで、ですね」
「それ故にですね」
「いつも磨かれていますね」
「そうされていますね」
「そうよ、高位の吸血鬼は」
つまり自分の様な者はというのだ。
「既に死者の身体ではないわ」
「だから人と同じ様に磨ける」
「そう出来ますね」
「そしてこれもね」
ワインを飲む、そうしてだった。
カーミラは使い魔達にさらに話した、自身の豪奢な屋敷で優雅に美貌について話していくのだった。
第二百六十五話 完
2020・5・21
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ