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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第6話 1人の男と1人の女の子のお話2
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「ああ、特にこの斧を使ってるベルガントについてな」

取り敢えず壁画を一通りカリムに案内してもらったバルト。
その後カリムの部屋に案内してもらいコーヒーを出してもらった。
結果を言えばあの時ヴィヴィオが言ったような事は壁画には書かれて無かった。
ただ殺戮の聖騎士の話は本当でカリムがその時の事を話してくれ、ヴィヴィオの言っていた事と同じだった。

(これで更にヴィヴィオについて謎が………いや、何となく予想はつくな。だが確かではない………)

「バルトさん?」
「ん?ああ、悪い悪い。それより良いのかこんなの教えて?」
「良いんですよ、上の人達は聖王教会のイメージが悪くなるからって公表してないんですが、私はこの殺戮の聖騎士が好きなんですよ?」
「何故?」
「彼は聖王の事をとても敬愛していたんだと思います。騎士としてだけでなく1人の男として。ただその思いが真っ直ぐ過ぎただけでなんです」
「だがそれが自分の破滅を呼んだ」
「でも私は嫌いじゃ無いです………」

そう言ってバルトをまじまじと見つめる。
流石に見つめられるのには慣れていないバルトは恥ずかしさを隠すように顔を合わせないように部屋を見ているように見せた。

「ん?これは………」
「私の小さい時の写真です」

そこには小さいカリムを囲むように鎧を着た大人達が降り、その端に眠そうな顔で写っている男がいた。

「………俺、こんな情けない顔してたっけ?」
「やっぱり似てますね………」

写真立てを見ていたバルトの後ろから声をかけたカリム。
先ほどのバルトの独り言は聞こえてないみたいで、その事について何も言ってこなかった。

「その人がバルトマン・ゲーハルトです。いつも退屈そうで、毎回訓練を抜け出して私の部屋にコーヒーを飲みに来てましたよ」

そう話すカリムは昔を懐かしむように話していた。

(いや、別に毎回では………いや、毎回か………格式ばっかりで面倒だったよな………)

「私のコーヒーが最初は不味いって文句言われて………悔しくて美味しく作るのに苦労しました………」

(………んなこと言ったっけ?)

「小さな子供だったけど頑張って練習して、初めて美味いって言われたときは本当に嬉しかった………」

(………まあ確かにとてもいい笑顔だったな)

「他の騎士達とは違い私に対して親しげに話してくれてたり、時々一緒に遊んでくれたりとても楽しかった。本当に………」

写真を大事そうに指でなぞるカリム。
その顔にはうっすらと涙が流れた。

「カリム………」

思わず頭を撫でてしまいそうになったバルトだったが、その手を何とか引っ込めた。

「だけど私のせいで彼は………」

そこから暫く黙っているカリム。
バルトも自
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