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オズのケーキ
第五幕その十

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 一行はフェアリーの国にさらに向かいました、夜になると休みますが皆近くの川でそれぞれ身体を洗ってです。
 奇麗になってから寝ようとした時にでした、ナターシャはふと夜空が目に入って興味深そうにケーキにテントに入る前に言いました。
「星座は同じですね」
「オズの国の星座もっていうのね」
「はい、外の世界の星座と」
「だってお空は同じだから」
「外の世界と、ですね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「お空はね」
 そこはというのです。
「同じよ」
「だから星座もですね」
「同じよ、ただね」
 ケーキはこうもお話しました。
「違うところもあるわ」
「外の世界と、ですね」
「そう、星座は同じでも」
「あっ、色々な鳥やお魚が飛んでいて」
「海みたいにね」
「それで雲には」
「お城があって騎士や天使やドラゴンがいて」
 そうしてというのです。
「ポリクローム達みたいに」
「妖精さん達もですね」
「いるから」
 だからだというのです。
「そこはね」
「違いますね」
「そうよ」
 そこはというのです。
「また違うわ」
「そうですよね」
「そう、だからね」
 それでというのです。
「そうした違いもね」
「わかっておくことですね」
「そうよ、そしてこうしたお話をすると」 
 にこりと笑ってです、ケーキはナターシャにお話しました。
「またお空に行きたくなったでしょ」
「オズの国のお空に」
「そうでしょ」
「はい、また行って」
 ナターシャはケーキにその通りだとにこりと笑って答えました。
「そうして」
「楽しみたいわね」
「そう思いました」
「それなら機会があれば」
「その時にですね」
「またね」
 その時にというのです。
「行くといいわ」
「そして楽しむことですね」
「それがいいわ」
 是非にと言うのでした。
「かく言う私もずっと行っていないし」
「それじゃあケーキさんも」
「また機会があればね」
 その時にというのです。
「行かせてもらいたいわ」
「そうですか」
「是非ね、けれど私は旅自体出ることが少ないから」
「そのことが、ですか」
「ネックね」
 ケーキにとってとです、自分で言うのでした。
「そのことがね」
「そうですか、けれどオズの国ですから」
 ナターシャはそのケーキにお話しました。
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