第五幕その七
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「これもまたよいぞ」
「ただ王様の飲まれるワインは」
王子もワインを飲んでいます、二人共カドリングの真っ赤なワインを楽しんでいます。ワインの赤ではなくレッドの赤です。
「甘いワインだけですね」
「わしは甘いものが大好きだからのう」
「それで、ですよね」
「甘いワインだけがじゃ」
「飲めるワインですね」
「他のお酒も同じじゃ」
ワインだけでなくというのだ。
「やはりな」
「甘くないとですね」
「飲めん」
到底というのです。
「どうしてもな」
「そうですよね」
「だから今もな」
「甘いワインをですね」
「飲んでおるのじゃ」
「そして僕も」
「甘いワインじゃな」
「今は。ただ僕は甘くないワインも飲めます」
このことはリンキティンク王とは違いました。
「そちらも」
「そうであるか」
「はい、ですが今は」
「わしと同じワインじゃな」
「こちらを飲んでいます」
「甘いワインも好きじゃったな」
「ですから」
それでとです、王子はリンキティンク王ににこりと笑って答えました
「そちらを飲んでいます」
「成程のう」
「今は飲みましょう」
「ではワインの歌も歌うか」
こう言ってその場で、でした。
リンキティンク王は即興でワインの歌を歌いました、流石に食事中なので踊ることはしませんでしたが。
歌い終わって動画で配信してから言うのでした。
「踊りは後でじゃ」
「作られますね」
「そうするぞ」
こうケーキに答えました。
「酔いが醒めてからのう」
「王様にとってダンスは欠かせないですね」
「歌とセットじゃ」
まさにというのです。
「昔は違ったが」
「歌だけでしたか」
「しかしミュージッカーとの区別をつけて」
そしてというのです。
「つぎはぎ娘の踊りを見てな」
「それで、ですか」
「踊りもな」
「される様になったんですね」
「そうじゃ」
まさにというのです。
「そうしたのじゃ」
「そうですか」
「尚気が向けばな」
その時はといいますと。
「踊らなくもなる」
「そうですか」
「わしは気が向けばそうするし」
「向かないとですね」
「しないからのう」
そうした人だからだとご自身で言うのでした。
「そうするのじゃ」
「そうなんですね」
「それでケーキ嬢は歌はどうじゃ」
「作詞作曲は出来ないですし」
これはとです、ケーキはリンキティンク王に答えました。
「歌うことは好きですが」
「歌だけか」
「はい」
あくまでそれだけだというのです。
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