ちいさなしまのおはなし
地下水道にて
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から繋がっていたもので、広大な砂漠を横切るのは幾ら何でも危険だから、下水道を通って行った方がいいとアドバイスされたのである。
下水道って暗くてジメジメしてて臭いが酷そう、と困惑していた女子3人だったが、砂漠で遭難するよりはいいだろ、という多数決にもならない男子6人の主張により、降りることになった。
躊躇なく飛び込む太一とその後に続けと大輔、大輔くんが行くのならと賢が後を追い、弟が飛びこんだことによって慌てる治、砂漠を歩くよりはマシと光子郎と丈、そしてデジモン達が入って、安全を確かめる。
確かにちょっとジメッとしているし薄暗いのだが、意外なことに臭いはそれほど気にならなかった。
下水道特有の、鼻にツンとつく生ごみの臭いが、殆どしないのだ。
これなら大丈夫だろう、ということで女子3人とそのパートナーも遅れて地下水道に潜り込んだのだった。
カンカンカン、と手摺を降りて、子ども1人ほどの大きな丸い排水溝から、広い地下水道へと出る。
ファイル島で起こっている異変を全て解決したら、再び工場に来てくれ、とゲンナイに言われているので、アンドロモンとはしばしの別れだ。
「コーラが飲みたい」
どれぐらいの時間が経っただろうか。
誰かがぽつりと言った。
その声と言葉を聞いて、みな一斉に立ち止まる。
等間隔で見つかる排水溝からちょろちょろとした水が流れていくのを横目に、子ども達は地下水道を真っすぐ突き進む。
行けども行けども何の変化もない地下水道で、誰が提案したかしりとりをすることになった。
しりとりってなぁに、っていうデジモン達の疑問から、まずしりとりのルールを教えてやるところから始まり、子ども達チームとデジモンチームで分かれてしりとりをしながら暇を潰すこと、約40分。
そんな時だった。
「……ミミちゃん、何も今それ言わなくても」
「だって飲みたいんだもん!」
空が困ったような表情を浮かべてミミを宥めるが、ミミは頬を膨らませて自分は悪くないと言いたげである。
アンドロモンによりゲンナイから衣食住の衣と住を提供されたお陰で、これからの冒険はだいぶ楽なものになるだろう。
固い地面に寝っ転がって碌に睡眠をとれず、翌朝寝不足気味の頭と足取りでフラフラにならずに済んだのである。
その日の汚れを落としてくれるシャワーや排出物を流してくれるトイレ、自分達のお家で使っているのと変わらないパジャマ、ふっかふかのベッド、そして自分たちが着ているものと同じ替えの洋服と下着。
最初こそ訝しんでいた子ども達だったが、このことによってゲンナイに対する信頼も株も急上昇中である。
そりゃいきなり連れてこられて世界を救ってくれなんて、一方的にお願いはされたけども、サポートはしてくれるとのことなので、貰えるものは貰っとけ精神でこれからも行こう、と
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