ちいさなしまのおはなし
地下水道にて
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危機に陥った際に爆発的なエネルギーをデジモン達に送り込んで、次の世代へと進化させるということだった。
今のところ、その他の機能は判明していないし、別世界とは言え生き物の姿形だけでなく能力までも急激に引き上げてしまうような、オーパーツにも近い機械を分解してしまうほど、治も光子郎も莫迦ではなかった。
何処を見渡しても接合部やネジ等で止められた部分がない。
感触も、子ども達がよく知っているプラスティックや合成樹脂の類ではない。
もちろん、石とか宝石系のものでもない。
とにかく今まで見たことも触ったこともないような、恐らくこの世界の素材で作られたものだ。
下手にいじくりまわして故障なんてことになったらシャレにならない。
アンドロモンでも、デジヴァイスの直し方は分からないそうだ。
物をぞんざいに扱ってぶっ壊す天才の筆頭である太一と大輔は、治と丈に口酸っぱく言い含められた。
分かりました、っていい子の返事をする大輔とは対極的に、太一は分かってるよ、と若干拗ねている。
それでも調べられることはあるはずだ、と好奇心を抑えきれなかった光子郎が、アンドロモンからもらったケーブルで自分のパソコンと接続して慎重に調べまくったところ、幾つかプロテクトされたプログラムを見つけた。
進化に関わるプログラムかもしれないので、それには手を出さずに他に何かないかと躍起になっていたところ、とあるデジ文字が光子郎のパソコンのディスプレイに浮かび上がった。
テントモンに読んでもらうと、ユーザー名という文字と光子郎の名前が書かれているそうだった。
「恐らく、皆さんのデジヴァイスもそれぞれの名前がユーザー名として登録されていると思います。多分ですけど、ユーザー名と登録されている以上、それぞれのデジヴァイスはみなさんにしか使えないのでしょう。だから賢くん、申し訳ないけど、たぶんテントモンを進化させた時のようには出来ないと思うんだ」
ごめんね、と申し訳なさそうに言えば、そっかーって賢は残念そうだったが、大丈夫って首を振った。
テントモンが進化をした時の話を聞いていた賢は、パタモンもテントモンと同じように光子郎のパソコンで進化させてあげられないのか、尋ねたのだ。
そのことに関する返答が、上記のものである。
「僕達は僕達で頑張るから!ね、パタモン!」
『うん!僕だってやればできるもんね!』
えっへん、てパタモンは胸を張るけれど、賢の頭の上でくつろぎながら言われても、説得力が感じられない。
優しい光子郎は苦笑するだけで、それを指摘することはなかった。
さて、子ども達は今地下水道を歩いている真っ最中である。
濁った水の通り道を中心に、子ども達とデジモン達が左右に分かれながら、薄暗い地下水道を進んでいた。
アンドロモンが守護していた工場
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