ちいさなしまのおはなし
地下水道にて
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かしながら、ドライヤーの温かい風を当てて、ヒカリの短い髪をお手入れした。
しばらくして。
「……よし、できた!」
会心のでき!とミミはドライヤーとブラシをドレッサーに置いて、ふうと満足げにため息を吐きながら額を拭った。
傍から見ると全く変わっているように見えなかったが、触ってみれば分かる。
動き回るのに邪魔で、煩わしいからという理由で短く切られて、ちょっとボサついていたはずのヒカリの髪は、お母さん行きつけの美容室に行った後みたいにサラサラだった。
ドレッサーに身を乗り出すように、鏡に映っている自分自身を見つめる。
否、正確には生まれ変わった己の髪を。
髪を撫でる手が止まらない。サラサラの髪なんて、プロの人にしかできないと思っていたのに。
ヒカリの目がキラキラと輝いていた。
「す、すごーい!ヒカリの髪、サラサラになっちゃった!」
「ふっふーん!でしょ、でしょ?ちゃーんとお手入れすれば、短くったってサラサラにできるんだから!ヒカリちゃん、今日からお風呂に入った後はちゃんとドライヤーで髪を乾かすのよ?短いからすぐ乾く、って面倒くさがっちゃダメ!太一さんの髪みたいに爆発しちゃうわよ!」
「ええっ!そ、それはヤダッ!ちゃんと乾かします!」
「ん、よろしい!さぁて、次は空さんよ!」
思わぬ遊撃を食らって、空はぎょっと目を見開いた。
「ちょ、ちょっと待って!アタシは別にいいわよ!」
「だぁめ!空さんの髪も外にぴょんぴょん跳ねまくってるじゃない!大丈夫ですよー、ちゃーんと整えてあげますからー」
「待って!その手つき何か危ない!こらっ、ミミちゃん!」
うふふふふふふふ、と目が全く笑っていない笑顔を浮かべながら、両手をわきわきさせるミミはかなり怪しい。
何やら危機感を覚えた空は、逃走態勢をとっている。
じりじり、とミミがにじり寄ればその分だけ空は後ずさった。
『……何してるの?』
「……おはよう、プロットモン」
らしくなく、ぎゃあぎゃあと騒ぐ女子2人の喧騒に起こされたパートナー達は、ギリギリギリと両手を組み合って拮抗している空とミミを見て、首を傾げるのだった。
デジヴァイスという白い機械は、デジタルとデバイスを掛け合わせた造語らしい。
デバイスとは英語で「装置」という意味で、ITにおけるデバイスとはコンピュータに接続して使うあらゆるハードウェアのことだ。
分かりやすく例えるならキーボードもマウスもデバイスの一種で、パソコンに内蔵されている、または接続して使用される装置は総称してデバイスと呼ばれる。
特定の機能を持つ電子部品・機器・周辺機器のことを指して使われる単語なのだが、デジヴァイスの主な機能として子ども達が把握しているのは、子ども達が何らかの
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