ちいさなしまのおはなし
地下水道にて
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なかったが、これはいわゆる個体差というもので、種全体が全く同じとは限らない。
それはまさしく人間と同じ、1人1人の性格や個性と同じなのである。
このヌメモンは太陽に耐性があり、比較的社交的らしい。
昼寝の邪魔をされたと文句を言いながらも、詰め寄ってきた大輔達を邪見にすることなく、大輔達の質問に答えた。
『お前らの仲間なら、あっちの森に逃げて行ったのが見えたぜ。何なら一緒に探してやろうか?』
しかも面倒見もいいと来たものだ。
大輔達小学2年生は3人、そのパートナーが3体なのに対し、上級生6人とそのパートナーも6体。
手分けして探すのに、大輔達では少なすぎた。
「ありがとう、ヌメモン。お願いしていい?」
『おう。ほかにも協力してくれるか、声かけてみるからな』
「うん!ありがとう!」
『じゃあ、何処に集まる?バラバラで探しちゃったら、集まれないよ?』
『だったら、すぐ近くにおもちゃの町ってところがあるから、そこ目指しな。お前らなら分かるだろ』
『おもちゃの町!そっか、この近くだったんだ』
ブイモン達の目がキラキラと輝く。
おもちゃの町って何だ、って大輔が聞いたら、もんざえモンっていうデジモンが町長をやっている、おもちゃや遊ぶところがいっぱいあるところらしい。
遊ぶところ、と聞いて大輔達もぱっと顔が綻んだ。
「じゃあ、太一さん達見つけたら、そこで遊んじゃおうぜ!」
「遊ぼう、遊ぼう!メリーゴーランドとかあるかな?」
「私、観覧車乗りたい!」
すっかり目的が切り替わってしまっている大輔達に、協力を申し出たヌメモンは苦笑しながら早く行けと促した。
はーい、っていい子のお返事をして背中を向け、大輔達はヌメモンが指した方向へと走り出す。
それを見送ったヌメモンは、すぐ近くにある自販機擬きをコツコツと叩いて、昼寝をしていた仲間達を叩き起こす作業から始めることにした。
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