ちいさなしまのおはなし
地下水道にて
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さで、3人と3匹は後ろを振り返る。
『あっ!』
『ヌッ、ヌメモン!?』
ばったりと倒れた側面、自販機の中から出てきたのは、自分達を追いかけまわして上級生とはぐれる原因になったヌメモンである。
ずざざ、と3人は後ずさり、パートナー達は前に出て戦闘態勢を取った。
その表情は微妙に引きつっていたが、ブイモン達の背後にいる大輔達はそんなこと知る由もない。
それでも、またあの排泄物を投げられて追いかけられては溜まらないので、ブイモン達は先手必勝を取ろうとしたのだが……。
『ああ?あんだよ、ガキンチョども。俺様の昼寝の邪魔しやがって、ぎゃあぎゃあ煩くて敵わねぇぜ。騒ぐんならどっか行け』
予想に反して、ヌメモンは襲ってこないどころか、眠そうにあくびをしながら喋ったのである。
知性も教養もないとゴマモンが言っていたから、喋ることもできないのだろうなって思っていたのに。
『ったく、せーっかくいい気持ちで寝てたってのに、何だってんだ。さっきもわあぎゃあ騒がしい連中がやってきて機嫌が悪いってのに……ああ、そういや隙間から覗いたら見たことねぇデジモンがたくさんいたなぁ?お前らみたいな姿してたけど、仲間か何かか?』
唖然とする大輔達を尻目に、ぶつくさと文句を垂れていたヌメモンだったが、やがて何かを思い出したらしいヌメモンが衝撃的なことを口にする。
ヌメモンの文句が続くようなら、こっそりとその場から離れるつもりだった大輔達は、ヌメモンの言葉に目を見開いて、相手が相手だということも忘れて詰め寄った。
「たっ、太一さん達を見たの!?」
『何処!?何処行ったか分かる!?』
『ああっ!?なっ、何だ何だ!?やっぱりさっきの連中の仲間だったのか!?』
「そうなの!私達、お兄ちゃん達とはぐれちゃったの!」
『どっちの方角に行ったのかだけでいいから教えて!』
「このままじゃお兄ちゃん達とずっとはぐれたままになっちゃう!!」
『お願い、ヌメモン!!』
3人と3体に一気に詰め寄られたヌメモンは、とりあえず落ち着けと言い含める。
そして、訳を聞かせてもらう。
地下水道でヌメモンに追いかけられたせいで、兄達とはぐれてしまったということを話したら、ヌメモンはやれやれと言いたげにため息を吐いた。
『全く、地下の連中と来たら。年がら年中暗くてジメジメしたとこにいっから、碌でもないことばっかしやがるんだ。悪いね、ガキンチョども。同族として謝らせてくれ』
「い、いや……君が悪いんじゃないし」
しどろもどろになって賢が首を振る。
知性も教養もないはずのデジモンが、ペラペラとしゃべるだけでなく同族の非を詫びている。
それに、厚い雲が晴れ始めて、太陽の光が顔を出し始めたのに、ヌメモンは嫌がるどころかケロリとしていた。
大輔達は知ら
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