ちいさなしまのおはなし
選ばれし子ども達
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りがたかったし、しかもシャワールームまでつけてくれていた。
だから最悪、下着類はシャワーで簡単に洗って使い回してしまえばいいか、って思っていたのだが……。
まさかと思って下の引き出しを開けると、ご丁寧に下着類が入っているではないか。
しかもパジャマまで!
「ゲンナイさん……」
空は困惑しながらゲンナイの名を呟いた。
映し出された映像のゲンナイは、間違いなく男性だった。
彼は人間ではないと言っていたが、見た目が立派な成人男性であるために、女子の下着を彼が用意したのかと思うと、色々な葛藤が浮かんでくる。
しかもよくよく見れば、自分が普段身につけている下着とよく似ていた。
空の服が引き出しに入っていたことにより、ミミも最後のタンスの引き出しを開けて、自分の服があることを喜んでいるが、彼女はどうやら気づいていないらしい。
ヒカリもまた然り。
……知らぬが仏、黙っていよう、と空は葛藤と共に引き出しを閉じた。
男子にも聞けば、やはり着替えが用意されていたらしい。
これからの冒険が少し楽になりそうだ、と男子は単純に喜んでいた。
先程ちらりと過ぎった疑惑は無視しようと、空は曖昧に微笑む。
「……でも、着た奴はどうするの?タンスに入れておけばいいのかな?」
「そしたら前に着た奴、そのまんまってこと?」
最年少の男子2人が至極当然の疑問を上級生達にぶつける。
あ、って子ども達が一瞬硬直したが、アンドロモンが苦笑しながらまた光子郎に教えてくれた。
テントのデータをインストールしたのと同時に、データ化されたデジモン──メカノリモンとガードロモンと言うらしい──も一緒にインストールしてくれたらしい。
何故?と問えば、光子郎のサポートのためだと言う。
自律プログラムが施されており、光子郎がパソコンで何かやっているのを察知すると、光子郎が何をやっているのか自己判断し、サポートをしてくれるそうだ。
更に、
《君達が着ている服も、コウシロウ、君のパソコンにインストールしておいた洗濯機のデータで洗濯できるから、安心しなさい》
「本当!?」
そのことに一番喜んだのは、ミミであった。
両手を上げてその場で小躍りするほどに喜んでいる。
他の子ども達も、これから先ずーっと同じ服を着て旅をする羽目にならずに済むことに、ほっと胸を撫で下ろしていた。
……治だけが、険しい表情でアンドロモンを見ていた。
「……よう、シケた面してんな」
「……太一」
とりあえず明日に備えて今日は休みなさい、とアンドロモンに言われたので、子ども達は早速貰ったばかりのテントを使うことにした。
本来サマーキャンプに来ていたのだから、どうせなら外で!と言い出したミミの提案に、反対する理由もなく、一行は屋上にテント
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