ちいさなしまのおはなし
選ばれし子ども達
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ンがあるだろう?》
「えっと……あ、これですね?テント……?」
《このコードを》
そう言ってアンドロモンが差し出したのは、細いコードだった。
2つあるコネクトは、1つはパソコン、もう1つは何とデジヴァイスに繋げるらしい。
アンドロモンに促され、光子郎はコードを使ってパソコンとデジヴァイスを繋げる。
《デジヴァイスを何処か適当に……そこら辺でいい、そこに向けなさい。そしたらテントのアイコンをダブルクリックするんだ》
「分かりました」
キーボードの下にあるパッドの左側を、2回素早くクリックする。
デジヴァイスのディスプレイから光が伸びた。
うわ、と子ども達は短い悲鳴を上げて、顔を庇ったりひっくり返ったりと三者三様の反応を見せる。
無機質な床に辿り着いた光の筋が、三角形の形になった。
筋が三角形に向かってデジヴァイスから飛び出して、光がすうっと消えていく。
あ!と最初に声を上げたのは、大輔だった。
「テントだ!」
『すっげー!』
太一達が止める間もなく、大輔とブイモンは群れから飛び出してテントに向かって走っていく。
待ってよ!って賢とパタモン、それからヒカリとプロットモンが駆け出した。
テントの縦の大きさは大人程、奥行きは外から見ると1人分ぐらいしかない。
役に立つ便利な道具、ってゲンナイは言っていたのに、これではみんなで寝れそうになさそうだった。
頭上に沢山の疑問符を浮かべながら、誘うようにまくり上げられている入り口に、まずは大輔が四つん這いになって中を覗き込む。
「…………う、おおおおおおおおおおおおおお!?」
『うわ、ダイスケ!?』
「え、え?何、なに?」
「どっ、どうしたの大輔くん!?」
中を覗き込んだ途端、雄叫びを上げた大輔に、傍にいた賢達だけでなく、その様子を遠巻きに見守っていた太一達もびくーって肩を震わせる。
「すげーすげー!ブイモン、ほら、来いよ!」
『えっ!?ちょ、待ってダイスケ!』
興奮した大輔は、心配そうに見守っている先輩達や友人達のことなどすっかり忘れて、相棒を呼びながらテントの中へ入ってしまった。
ブイモンは迷わず大輔のすぐ後を追って、賢とヒカリは顔を見合わせて一瞬悩んだ様子を見せながらも、ブイモンが入った後に、それからパタモンとプロットモンも慌ててテントの中へ、次々と入っていく。
「わああっ、何これ!!」
『すっごいねー!』
「広ーい!」
『何これ、どうなってんの?』
警戒心を全く抱かない最年少とそのパートナーデジモンは、躊躇なくテントの中に入って、感動の声を上げている。
止める間もなく、あっと言う間の出来事を見守っているしかなかった太一達だったが、どうやら危険はなさそうだと判断して、テントに近付いていく。
リーダーの頭角
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